人吉温泉が人気の3つの理由!旅館や観光情報から名物グルメ&お土産についても

熊本県南部の人吉市は豊かな自然と歴史に彩られた観光地で、中心街には江戸情緒あふれる建物が軒を連ねています。2015年に文化庁が制定する日本文化遺産に認定された、のどかな風土と文化に育まれた温泉地でもあります。

鉄道好きなら「SL人吉」や「かわせみ やませみ」、歴史好きなら人吉城跡や青井阿蘇神社、アウトドア好きなら球磨川下り、温泉好きなら外湯めぐりと、さまざまな遊びを満喫できます。

人吉温泉の歴史と特徴

開湯は明らかではありませんが、歴史を紐解くと、起源は人吉藩12代藩主が湯治を行なった1490年頃に遡ります。温泉街に残る街並みは、人吉藩が栄華を極めた江戸時代の面影を色濃く留めています。

江戸時代から続く温泉旅館もあり、現在の温泉街の原型が整ったのは明治43(1910)年。以来、県内外から訪れる観光客が増えていき、現在、人吉温泉観光協会の公式サイトでは30軒以上の宿泊施設が紹介されています。有する源泉は50本以上。「単純泉」や「炭酸水素塩泉」などの名湯が湧いています。

人吉温泉が人気の3つの理由!

理由1: SL人吉の発着駅がある

観光資源に恵まれている人吉温泉が、その名を高めるきっかけとなったのは2009年に運行が始まった「SL人吉」。JR「人吉駅」と「熊本駅」を1日1往復する観光用の蒸気機関車で、大正時代に製造された威風堂々たる雄姿が人気を集めています。

SL人吉の運行期間は3月~11月の金曜日、土曜日、日曜日、祝日と夏季休暇シーズン。展望ラウンジやビュッフェスペースがあり、快適なSL旅を楽しめます。JR「熊本駅」発9時45分で「人吉駅」着は12時9分。SLで人吉温泉にアクセスする観光プランは大好評です。

「SL人吉」の情報

施設名 SL人吉
住所 熊本県人吉市中青井町326-1(JR九州人吉駅)
電話番号 0966-22-4011(JR九州人吉駅)
URL http://www.jrkyushu.co.jp/trains/slhitoyoshi/

理由2: 川下りができる

アウトドアアクティビティが充実しているのも、人気の要素。特に爽快な気分に浸れるのは、温泉街を貫く球磨川での川下りやラフティングです。

球磨川の景観はとても豊かで、川下りを運営している会社も複数あり、気軽にライドが楽しめるショートコースからスリル満点の激流コースまで、さまざまなルートが用意されています。

「 球磨川下り」の情報

施設名 球磨川下り
住所 熊本県人吉市
電話番号 0966-22-1370(人吉温泉観光協会)
URL https://hitoyoshionsen.net/taiken/

理由3:立ち寄り湯が楽しめる

人吉温泉の真骨頂は、温泉を存分に楽しめること。立ち寄りでお湯に浸かれるスポットは、日帰り温泉施設と湯宿を含めて50軒以上。昭和のたたずまいが残るノスタルジックな公衆浴場もあります。

懐かしい気分で温泉を楽しめるのは日帰り温泉施設「新温泉」。旧式のマッサージ機や体重計など、脱衣所にいるだけで時間が逆戻りするような感覚です。

「人吉温泉」の基本情報

施設名 立ち寄り湯
住所 熊本県人吉市
電話番号 0966-22-1370(人吉温泉観光協会)
URL https://hitoyoshionsen.net/taiken/

人吉温泉のおすすめ温泉旅館3選

人吉温泉にある宿のタイプは、旅館、観光ホテル、民宿、国民宿舎などさまざま。どの宿も趣向を凝らした温泉施設を備えており、特に快適な温泉旅館を3軒をご紹介します。

第1位:露天風呂つき客室が充実「あゆの里」

露天風呂付きの客室が充実している温泉旅館「あゆの里」。球磨川に面した客室・全75室のうち14室に温泉露天風呂を完備。共同の温泉浴場は、3階にある山並みの湯屋と5階にある蔵の湯殿(男女入れ替え制)。山並みの湯は内湯、露天風呂、露天のジェットバスがあり、蔵の湯殿は内湯と露天風呂、陶器風呂や寝湯があります。

日帰り入浴は共同の温泉浴場のみで利用時間は11時〜14時、入浴料金は800円です。泉質名は「塩化物泉」と「炭酸水素塩泉」。浴用適応症として、きりきず・末梢循環障害・冷え性・皮膚乾燥症に効果効能があります。

飲用適応症は胃十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・糖尿病・痛風・萎縮性胃炎・便秘です。※衛生上等の理由から、飲泉できる温泉は全国的に限られています。本当に飲める温泉か、必ず確認してください。

「塩化物泉」の効果効能

泉質名 塩化物泉(掲示用泉質)
浴用適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用適応症 萎縮性胃炎、便秘

塩化物泉についてもっと詳しく

「炭酸水素塩泉」の効果効能

泉質名 炭酸水素塩泉(掲示用泉質)
浴用適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用適応症 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、糖尿病、痛風

炭酸水素塩泉についてもっと詳しく

「あゆの里」の施設情報

施設名 あゆの里
住所 熊本県人吉市九日町30
電話番号 0966-22-2171
URL http://www.ayunosato.jp/

第2位:野趣に富んだ大浴場が自慢「季の杜 石庭」

「季の杜 石庭」は、野趣に富んだ大浴場が自慢の温泉旅館。男湯「けもの湯」は巨石が迫る豪快な造り。女湯も大きな岩を組み上げた迫力ある眺め。岩の上をめぐらした竹垣が旅情感ある空間美を創り出している露天風呂です。客室は12畳の和室とツインのベッドスペースを備えた和洋室がおすすめ。間仕切りがなく、広々とした居心地の良いお部屋です。

日帰り入浴の営業時間は8時〜22時、入浴料は大人300円。貸し切り風呂は予約が必要で、入浴料は1時間1,500円。泉質は「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「塩化物泉」。浴用適応症として、きりきず・末梢循環障害・冷え性・皮膚乾燥症に効果効能があります。

飲用適応症は、胃十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・糖尿病・痛風・胆道系機能障害・高コレステロール血症・便秘です。※衛生上等の理由から、飲泉できる温泉は全国的に限られています。本当に飲める温泉か、必ず確認してください。

「炭酸水素塩泉」の効果効能

泉質名 炭酸水素塩泉(掲示用泉質)
浴用適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用適応症 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、糖尿病、痛風

炭酸水素塩泉についてもっと詳しく

「硫酸塩泉」の効果効能

泉質名 硫酸塩泉(掲示用泉質)
浴用適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用適応症 胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘

硫酸塩泉について

「塩化物泉」の効果効能

泉質名 塩化物泉(掲示用泉質)
浴用適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用適応症 萎縮性胃炎、便秘

塩化物泉についてもっと詳しく

「季の杜 石庭」の施設情報

施設名 季の杜 石庭
住所 熊本県人吉市矢黒町1970-5
電話番号 0966-22-3637
URL http://www.sekiteinoyakata.com/

第3位:伝統的な建築美を満喫「人吉旅館」

伝統的な建築美が目を惹く昭和9(1934)年創業の「人吉旅館」。粋を凝らした高い建築技法が評価され、国の登録有形文化財に指定されています。内観で一際存在感を放つ黒光りがする太い梁や柱が、人吉旅館の歴史を物語っています。懐かしい昭和の調度品の数々も見どころです。

大浴場は内湯のみで浴槽は2種類。深さが80センチもある浴槽は、イスに腰掛けて入ります。日帰り入浴の利用時間は7時〜21時で、入浴料は大人600円です。泉質は「炭酸水素塩泉」。浴用適応症として、きりきず・末梢循環障害・冷え性・皮膚乾燥症に効果効能があります。

飲用適応症は胃十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・糖尿病・痛風です。※衛生上等の理由から、飲泉できる温泉は全国的に限られています。本当に飲める温泉か、必ず確認してください。

「炭酸水素塩泉」の効果効能

泉質名 炭酸水素塩泉(掲示用泉質)
浴用適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用適応症 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、糖尿病、痛風

炭酸水素塩泉についてもっと詳しく

「人吉旅館」の施設情報

施設名 人吉旅館
住所 熊本県人吉市上青井町160
電話番号 0966-22-3141
URL http://www.hitoyoshiryokan.com/

人吉温泉のおすすめ観光スポット3選

人吉温泉の見どころは、温泉街を中心に広く点在。史跡や寺社仏閣など、歴史的価値のある観光スポットが人気です。

第1位:国宝指定の建造物の宝庫「青井阿蘇神社」

「青井阿蘇神社」はJR「人吉駅」から徒歩約3分のところに鎮座する熊本県きっての古社。創建は平安時代の806年と伝えられています。参拝客を出迎えるのは荘厳な桜門。その先には、拝殿、幣殿、廊、本殿の順番で社殿が建ち、いずれも国宝に指定された建造物です。

最大の特徴は、そそり立つような急勾配の藁葺き屋根と社殿に塗られた黒漆。再建当時の建築技法が存分に生かされた桃山様式は大きな見どころです。

「青井阿蘇神社」の施設情報

施設名 青井阿蘇神社
住所 熊本県人吉市上青井町118
電話番号 0966-22-2274
URL http://www.aoisan.jp/

第2位:伝統工芸づくりを体験できる「人吉クラフトパーク石野公園」

「人吉クラフトパーク石野公園」は、伝統工芸の製作体験ができる参加型テーマパーク。園内は出入り自由で、眺望に恵まれた展望台もあります。

絵付け、竹細工、ガラス細工、鍛冶など、工芸体験のジャンルは多種多彩。鍛冶館では、包丁やデザインナイフの本格的な鍛冶が楽しめます。子供たちに人気なのは民工芸館で行なわれている花手箱の絵付け。くまモンの下絵に、自分で色を着けていきます。

「人吉クラフトパーク石野公園」の施設情報

施設名 人吉クラフトパーク石野公園
住所 熊本県人吉市赤池原町1425-1
電話番号 0966-22-6700
URL http://h-craftpark.com/

第3位:人吉藩の城下町をしのばせる「人吉城跡・人吉城歴史館」

現在の人吉温泉は、肥後国で一大勢力として栄えた人吉藩の城下町だったところにあります。「人吉城跡」は、往時の栄華を偲ばせるスポットで国の史跡に指定されています。

「人吉城跡」は700年に渡って歴代藩主を務めた早良家の居城跡。球磨川と温泉街を見渡す高台に建ち、堅牢な高い城壁や石垣が当時の面影を伝えています。「人吉城歴史館」は、城跡の麓にある資料館。人吉藩と人吉温泉の歴史にまつわる貴重な文物が展示されています。

「人吉城跡・人吉城歴史館」の施設情報

施設名 人吉城跡・人吉城歴史館
住所 熊本県人吉市麓町18-4(人吉城歴史館)
電話番号 0966-22-2324(人吉城歴史館)
URL http://www.city.hitoyoshi.lg.jp/q/aview/95/249.html

人吉温泉のおすすめグルメスポット3選

人吉温泉は、和洋中のジャンルでグルメが楽しめます。特にうなぎ料理は九州一と好評で、身がしまった香ばしい蒲焼きがいただけます。

第1位:県内外に知られた有名店「上村うなぎ屋」

創業100年の「上村うなぎ屋」は、人吉駅から東へ徒歩約10分のところにある老舗のうなぎ料理専門店。その知名度は県内外におよび、上村うなぎ屋を目当てに人吉温泉を訪れる常連客も多くいます。一押しは「うな重」。秘伝のタレが蒲焼きに独特の甘辛さを添えています。

贅沢なうなぎ料理を味わいたい人には、蒲焼き、塩焼き、きも吸いなどがセットになった「うなぎ会席」がおすすめです。

「上村うなぎ屋」の施設情報

施設名 上村うなぎ屋
住所 熊本県人吉市紺屋町129
電話番号 0966-22-3312
URL http://www.uemura-unagi.com/

第2位:きじ料理のコースが楽しめる「きじや」

JR「人吉駅」から車で約20分。奥深い山あいにたたずむ「きじや」が見えてきます。きじ料理で知られる名店で、きじ鍋やきじ炭火焼きが味わえます。

炭火焼きはテーブルで焼き上げるスタイル。上質なきじ肉は柔らかく、さっぱりとした風味が特徴。また、砂ずり柚味噌和え、きも刺、きじ刺、きじ雑炊など一品料理も人気です。

「きじや」の施設情報

施設名 きじや
住所 熊本県人吉市木地屋町2522
電話番号 0966-29-0401
URL

第3位:気軽に郷土料理を堪能「ひまわり亭」

郷土料理が気軽に味わえる「ひまわり亭」。地産の食材をふんだんに使った料理は、心も和む温かい味わい。安心安全な食材選びが、ひまわり亭の信条。農薬や化学調味料を一切使用しないので、ヘルシー志向の人にもおすすめします。

看板メニューは、月替わりの「ひまわり御膳」。鮎付きにグレードアップもできるメニューで、目にも鮮やかで食欲をそそります。

「ひまわり亭」の施設情報

施設名 ひまわり亭
住所 熊本県人吉市矢黒町1880-2
電話番号 0966-22-1044
URL http://himawari-tei.com/

人吉温泉のおすすめお土産3選

お土産は、民芸品、銘菓、調味料、焼酎などバラエティ豊か。人吉温泉ならではのお土産を3品ご紹介します。

第1位:田舎風の優しい甘さが人気「濱田屋のみそまん」

人吉温泉のお饅頭は名物「みそまん」。1904年創業の「濱田屋」が手がける銘菓で、素朴なやさしい甘さが人気。もっちりした生地に包まれているのは、甘辛い味噌あん。薄皮の温泉饅頭とは異なる食感が癖になります。

店内のショーケースには、みそまんの他にも美味しそうなお菓子が並んでいます。濵田屋に立ち寄り、名物を片手に温泉街を散策してみてはいかがでしょう。

「濱田屋」の施設情報

施設名 濱田屋
住所 熊本県人吉市紺屋町17
電話番号 0966-22-2078
URL

第2位:サクッとした硬めの皮が魅力「秋山製菓舗の温泉饅頭」

秋山製菓舗の「温泉饅頭」は、みそまんとは違った食感と風味。温泉マークが焼き印されたシンプルな見栄えで、皮はサクッと硬めに焼き上げ、中の小豆あんとのバランスは申し分なし。みそまんと食べ比べて見てください。

秋山製菓舗は先に紹介した温泉旅館「あゆの里」の隣。宿泊するなら、入館前に湯上りのお菓子として、温泉饅頭を買っておきましょう。

「秋山製菓舗」の施設情報

施設名 秋山製菓舗
住所 熊本県人吉市九日町34-2
電話番号 0966-22-3378
URL http://www.tabirai.net/sightseeing/column/0000135.aspx

第3位:SL人吉の車内で食べたい「人吉駅弁やまぐちの栗めし」

SL人吉で人吉温泉を訪れたなら、帰途は2017年に就航した観光特急列車「かわせみ やませみ」がおすすめ。帰りがけに駅弁を買うなら、人気の「栗めし」はいかがでしょう。「かわせみ やませみ」の車内でいただきながら、人吉旅の余韻を味わうのも一興です。

「栗めし」は、ごろっとした栗がたっぷり入っているのが魅力。ほどよく出汁の効いた炊き込みご飯との相性も抜群。「栗めし」が買えるのは、JR「人吉駅」最寄りの「人吉駅弁やまぐち」。駅ホームでは、SLや「かわせみ やませみ」の発着時に合わせ、現在では貴重な立ち売り販売が行なわれています。

「人吉駅弁やまぐち」の施設情報

施設名 人吉駅弁やまぐち
住所 熊本県人吉市中青井町300
電話番号 0966-22-5235
URL

人吉温泉で歴史散策とグルメを満喫


人吉温泉は、江戸時代に築かれた城下町の風情が残る温泉地。人吉城跡や鍛冶屋町通りなど、その名残りは温泉街を中心にあちこちで発見できます。またグルメも、じっくり味わっておきたいところ。贅沢なうなぎ料理、ワイルドなきじ料理、家庭的な郷土料理など、いろいろな味覚が楽しめます。

人吉駅から温泉街へ向かう人は、白壁が鮮やかな駅舎にも注目。駅前にあるお城のからくり時計も見どころです。

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