薩摩硫黄島の東温泉でインフィニティ露天風呂!ワイルドすぎる野湯めぐり

鹿児島県三島村の「薩摩硫黄島」は温泉アイランド!

温泉成分で真っ赤に染まった港では、アフリカの打楽器ジャンベでお出迎え。

インフィニティな「東温泉」や、海の中に湧き出す天然の露天風呂など、ワイルドすぎる野湯巡りを楽しみました。

後半では、宿泊施設もご紹介します。

海から湧き出す温泉で赤く染まった港に到着

薩摩硫黄島は、名前の通り活火山の島。港の海底からは温泉が湧き出し、鉄分で海水が赤く染まっています。

船から見ると、海の色が青から赤へとガラリと変わるのでちょっと怖くなるほど。

赤い水をかき分けて着岸すると、ドンドコドンドコドコドコドコドコ……♪ と軽快な太鼓の音が大きくなってきます。

薩摩硫黄島は、アフリカの打楽器・ジャンベの島。島の子どもたちがジャンベを打ち鳴らし、踊りながら出迎えてくれました。

いざ東温泉へ! インフィニティ露天風呂に感激

宿に着いて荷物をおろし、お目当ての「東温泉」に向かいます。東温泉までの道のりは3kmほど、徒歩で1時間かからないくらいです。

車でも行くことができますが、両脇に竹が茂った道をのんびりと歩きます。

急に視界が開けてくると、海に面した岩盤に3つの露天風呂が見えました。赤茶色の岩に、温泉成分の黄金色が目立ちます。

岩の壁で仕切られた更衣室で水着に着替え、早速温泉へ。

波が打ち付ける海岸にはさえぎるものがなく、耳に入るのは波の音だけ。誘われるように湯舟にに近づきます。

3つある湯舟は、奥から源泉が注がれるため、真ん中が適温です。かすかに緑がかったお湯はピリリとした強酸性で、舐めるとレモンのような酸味を感じるほど。

浅めの湯舟につかって、ぼんやりと波を眺めます。自然と一体になった気分とは、まさにこのこと。

視界にうつるのは海と空の青色だけ。まさにインフィニティ温泉です。

岩肌に目を向けると、源泉が岩を染めていることに気づきます。硫黄泉特有の藻や、析出した硫黄と塩分が模様のようになっています。

一つ目の湯舟に注がれる源泉のほかに、岩肌からも温泉が湧き出しています。

熱いのでさわることはできませんが、神秘的な温泉に目を奪われます。

真ん中の湯舟は39℃くらいとぬるめでしたが、源泉近くは体感46℃と熱め。

硫黄泉で熱いお風呂といえば、草津温泉や那須湯本の共同浴場を思い出します。それらの温泉で入れるならば、ここでも入れないはずはない。

意を決して入ってみると、ピリリとした熱さと酸の刺激のあとに、スパッと身体の疲れがとれるサッパリ感です。

干潮時のみ入れる幻の温泉「穴の浜温泉」

薩摩硫黄島は、島全体に竹が茂った緑豊かな島。道路は丁寧に草刈りされており、気持ちよく歩けます。

島には牧場もあり、海が見える牧草地でのんびりと草を食んでいました。

さて、もう2つの温泉を目指して歩を進めます。

※東温泉のほかの露天風呂は、一般の方は非常に行きづらい場所にあります。滑りにくい靴・歩きやすい服装で探してみてください。

東温泉で徒歩で行く場合の難易度を★★☆☆☆とすると、このあと紹介する穴の浜温泉の難易度は★★★★★、大谷温泉は★★★★☆くらいです。

1つめの温泉は、「穴の浜温泉(けつのはまおんせん)」。島の北端、岬の近くから藪の中に入って行きます。目印はありませんが、人が通った跡があるので決意を固めて進んでいきます。

胸の高さまで茂った草むらをかき分け、人が通った跡をたよりに進みます。最後の目印は、発泡スチロールがついた竹の棒(たぶん目印です)。

岩がゴロゴロと転がる海岸にたどり着いたら、温泉がわき出す場所を探します。

赤茶色の岩が転がる海岸を歩くと、湯気が立つ場所が見つかりました。

岩の隙間からポコポコと温泉が湧きだすので、岩を動かして海水と混ざり合うように湯舟を作ります。

泉質は酸性泉で、東温泉と似ています。源泉温度は60℃くらいで触れない熱さですが、海水と混ぜれば足湯として楽しめます。

神秘的な乳白色!大谷温泉(ウータンおんせん)へ

もう一つの露天風呂「大谷温泉(ウータンおんせん)」は、看板に従って草むらの中を降りて行きます。

視界が開けてから、もう少し。岩の転がる海岸を降りて行きます。

青白く濁った温泉と、赤茶けた岩が、海岸とは思えないコントラストを織りなしています。

大谷温泉も干潮時のみ入れますが、干潮時でも温度は低め。この日は38℃くらいのぬる湯でした。

乳白色のお湯が湧き出すところは、どこもぬるめのお湯で満たされています(私が気づかなかっただけで熱い箇所もあるかもしれませんので、慎重に確かめながら入りましょう)。

セルフタイマーで撮ったので顔にピントが合いませんでした。

乳白色のところよりも、透明のところの方が温かかったので、全身つかって自撮りしました。

ここも泉質は酸性泉。のんびり浸かっていたいところですが、入りすぎるとかえって肌がカサカサになってしまうので、ほどほどで切り上げて戻りました。

薩摩硫黄島の宿泊情報!民宿と素泊まりのキャラバンパーク

薩摩硫黄島には4つの民宿と、1つの素泊まり施設があります。今回は2泊の行程だったので、1泊は民宿、もう1泊は素泊まりにしました。

薩摩硫黄島の民宿「マリンハウス孔雀の里」

1泊目に泊まったのは「マリンハウス孔雀の里」。親戚の家に遊びに来たようなアットホームな雰囲気で、隅々まできれいなので快適です。

この日は晩ご飯は大名竹尽くし。島の名物のタケノコで、アクがなく瑞々しいです。

島でしか買えない限定品の焼酎「メンドン」を開けて、ロックで頂きます。芋の香りが素晴らしく、食事がすすみます。

朝ご飯は、ご飯が進むおかずのオンパレード。麦味噌の味噌汁が目覚めにぴったりです。

お昼ご飯はおにぎり弁当にしてもらいました。この日の干潮時間は昼前後だったので、温泉に入った後でいただきました。

ちなみに、薩摩硫黄島には野生化したクジャクがたくさんいます。

昔にリゾート開発を試みた会社が持ち込んだものだそうで、学校や民家など、いろいろなところを平然と歩き回っています。

「マリンハウス孔雀の里」の詳細情報

施設名 「マリンハウス孔雀の里」
住所 鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島69
電話番号 09913-2-2028
利用料金 料金を入力
URL https://kujakunosato.jimdofree.com/

トレーラーハウスで手軽にキャンプ気分♪イオキャラバンパーク

港の近くにある「イオキャラバンパーク」には、オーナーさんが各地から集めたトレーラーハウスが泊まっています。

1人から4人まで泊まれる様々な形があり、1名利用でも4,000円とお手頃。

この日僕が泊まったのは、2人泊まれるキャビン。トレーラーハウスは初めてですが、冷蔵庫やケトルもあり、ベッドも使えて意外と快適です。

ソファーにエアコンまでついているので、キャンピングカー以上に快適と言えそうです。

センターハウスにはキッチンがついており、食材や飲み物も購入できます。

アウトドア気分を盛り上げてくれる内装で、旅人同士の交流も食事を美味しくしてくれます。

おしゃれに並べられたカップ麺やレトルトカレーの数々に、つい目移りしてしまいます。

無人販売なので、決められた金額を料金箱に入れて買いましょう。

冷凍庫には、島の「長命草」で作られた冷凍餃子や、定番の冷凍食品などが入っています。もちろんフライパンや鍋などは借りられるので、その場で餃子を食べられます。

島には食料品店がありますが、足りない食材を買うときにはもってこいです。

トイレやシャワーは、隣接する村営の体育館を使えるので、気持ちよく過ごすことができました。

「イオキャラバンパーク」の詳細情報

施設名 「イオキャラバンパーク」
住所 鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島24
電話番号 090-3015-9609
利用料金 1名利用4,000円ほか
URL https://io-caravan-park.site/index.html

薩摩硫黄島へのアクセス

薩摩硫黄島へは、鹿児島港から週に4往復出ているフェリーがおすすめ。鹿児島港から硫黄島までは4時間ほど。

「フェリーみしま」は2019年に就航した新しくてきれいな船。船内ではラウンジや展望デッキもあり、海の上での時間を楽しく過ごせます。

島の宿泊施設は数が少なく、工事などの長期滞在の方で埋まっていることも多いため、早めに宿を予約しましょう。

宿が取れなくても、キャンプや車中泊ができる場合もあるので、ホームページなどで確認してみてください。

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