鹿児島市から週2往復のフェリーで6時間、トカラ列島の入口「口之島」は牛やヤギがたくさんいる自然豊かでのどかな島です。
島に唯一の売店で買える貴重な芋焼酎「トカラ海峡」が、島の秘湯・セランマ温泉仕込みでリニューアル! これは飲むしかありません。
温泉と焼酎を味わってきました。
目次
島唯一の売店は午前中のみの営業

約100人の島民の暮らしを支える「口之島売店」。食べ物だけでなく、ガソリンも売っています。営業時間は9時~12時。
この日は奄美方面からのフェリーで昼過ぎに到着しましたが、私たち旅行者のために特別に店を開けてくれました。

地元の焼酎を見つけて買おうとすると「ちょうどよかった! 新しい方を持っていってよ」と、新しい瓶を出してくれました。お値段はどちらも1,500円(税込)。
島の温泉「セランマ温泉」で仕込んだ焼酎が造られたとのこと。まだパッケージができておらず、これまでと同じボトルにシールを貼っただけですが、そんなできたてホヤホヤにありつけるなんてありがたい限り!
「俺たちもまだ飲んでないんだ」と言いながら受け取った貴重な焼酎……早速晩ご飯でいただくことにしました。
夜まではまだ時間があるので、無料のガイドツアー(※要予約)でセランマ温泉に連れて行ってもらいます。
まるでサファリパーク!? 牛やヤギが歩き回る中を温泉へ

ガイドツアーは14時出発。セランマ温泉までは約8kmの道のりで、歩けないこともなさそうですが、島の方は「やめとけ」と口をそろえます。
グネグネ道を軽自動車でゆっくりと進んでいくと、ゲートが出てきました。

野生の牛が出てこないように作られたもの。鍵はかかっていないので、温泉に行くときは自分で開け閉めします。

口之島には野生の牛やヤギがたくさんいます。耳にタグがついた放牧の牛が混ざっていることも。私は2回温泉に連れて行ってもらいましたが、10頭くらいは見た気がします。

悠然とたたずむ牛。タグが付いていないので野生ですね。

野生の「トカラヤギ」。牛よりも警戒心が強く、すぐに逃げてしまうのでなかなか写真が撮れませんでした。

そうこうしているうちに、セランマ温泉に到着。一軒家のような見た目です。

セランマ温泉は利用するたびにお湯を張って入浴するセルフサービス。源泉温度は60℃以上なので、水を足しながらいれていきます。
お湯が張られるまで15分かかるので、周りを散策してみることに。

なんだか神聖な雰囲気が漂う、ガジュマルの巨木。樹齢数百年はありそうです。

すぐ近くは温泉水が流れる川になっており、木漏れ日に照らされた渓流がキラキラとしています。

水面をよく見ると、オタマジャクシが。
人間にとっても熱すぎる40℃台の環境で生きられる「リュウキュウカジカガエル」の幼生(オタマジャクシ)は貴重な発見のようです。
※参考:広島大学ニュースリリース「【研究成果】温泉でくつろぐ日本のオタマジャクシ:湯の中でも生きられるカエルの幼生」
いざ入浴! まろやかで気持ちいい

源泉かけ流しをひとり占め!
いざ入ってみると、やや熱めのお湯ははじめトロリとした感触があって、浴後はさっぱり。しばらく汗が引かずにポカポカとよく暖まります。
泉質は無色透明な硫酸塩泉。トカラ列島は各島に温泉がありますが、口之島の温泉は入りやすいのが特徴です。
これは焼酎の仕込み水に向いていそう!

温泉を楽しんだら、お湯を抜いてさっと水で流し、休憩室へ。島の人たちの憩いの場にお邪魔している感覚が心地よいです。
遠くで鳥が鳴く声がするほかは、静かな山の中。携帯の電波も入らないので、しばし世の中の流れから隔絶されて自分だけの時間を過ごしているかのよう。東京から半日近くかかりますが、それでも訪れる価値があるなぁとしみじみ感じました。
温泉水仕込みの焼酎はまろやかで美味しい!

さてお待ちかねの晩ご飯。今回泊まったのは素泊まりの宿で、島には飲食店がないため、食事は自分で用意します。
同宿の方がタケノコ採りの名人に教わってたくさん採ってきてくれたおかげで、晩ご飯は、島の名物・大名竹尽くしになりました。本土の姫竹に似た細いタケノコはクセがなく、塩茹でするだけで美味しくいただけます。
そこに、焼酎をいざオープン。おすすめの飲み方はロックだそうです。
芋の香りがしっかりとするのですが、いわゆる「芋くさい」感じではなく香りとして楽しめる感じがします。それでいてまろやかなので、ついつい飲みすぎてしまう感じ。
翌日売店で感想を伝えてもう1本買ってみると、島の人たちも「やっぱりセランマ温泉の方が飲みやすいねぇ」と好評でした。

どうしてもやってみたかったのが、仕込み水であるセランマ温泉で焼酎を割ること。でもロックの方が美味しいんだよなぁ・・・と思い、温泉水を凍らせてみました。
うん、やっぱり美味しい! まろやかでほのかに甘みのある温泉水が、やわらかくもしっかりした芋の香りを包んでくれます。
※セランマ温泉の飲用許可はないので、マネしないでください。
トカラ列島口之島・セランマ温泉への行き方

トカラ列島には、鹿児島港から週に2往復の船が出ています。
23時に鹿児島港を出港した船が最初に着くのが口之島。下り便の入港時間は朝5時で、上り便は12時過ぎの入港です。島には飲食店がないため、民宿に泊まれば滞在中の食事をすべて用意してくれます。

セランマ温泉に行くには、役場の出張所で入浴料金を支払い、鍵を受け取る必要があります。入浴料金は1人200円。
民宿で車を借りられることもありますが、無料のガイドツアーに申し込むのが確実。事前予約が必要なので、役場に問い合わせてください。

セランマ温泉に行った次の日は快晴。島を一望できるフリイ岳展望台に案内してもらいました。
「口之島売店」の詳細情報
施設名 | 「口之島売店」 |
---|---|
住所 | 鹿児島県鹿児島郡十島村大字口之島99 |
電話番号 | 09912-2-2404 |
営業時間 | 9時00分〜12時00分 |
定休日 | 不定休 |
「セランマ温泉」の詳細情報
施設名 | 「セランマ温泉」 |
---|---|
住所 | 鹿児島県鹿児島郡十島村大字口之島 |
営業時間 | 入浴は夜8時まで |
利用料金 | 入浴料200円(役場出張所で支払い) |
アクセス | 集落から約8km(車で30分) |
セランマ温泉の泉質「硫酸塩泉」についてもっと詳しく
硫酸塩泉とは?乾燥肌・肌の蘇生などの効能&人気おすすめ温泉宿3選

トカラ列島で温泉めぐり
トカラ列島・中之島で4つの温泉を制覇!ひなび感満載の共同浴場【鹿児島の秘湯】

秘境!トカラ列島の悪石島で温泉めぐり 天然岩盤浴・海中露天風呂・共同浴場

離島×温泉! 東京からサクッと行ける伊豆諸島の温泉レポート
【全6湯】夜行船の正体は◯◯?!海中絶景露天風呂を、東京の離島「新島・式根島」で体験!

八丈島の温泉を1日で制覇するバス旅最強ルート【1,000円で2日間乗り放題&入り放題】

東京都の秘島「青ヶ島」のサウナは天然温泉!?地熱で蒸すひんぎゃ料理も体験

鹿児島本土のおすすめ温泉情報
指宿温泉の元屋旅館は1泊3,200円で自家源泉かけ流し温泉入り放題♪知る人ぞ知る鄙び系

天然泥パックでお肌プルプル!霧島の名湯「さくらさくら温泉」は高級エステ並の美肌力
