八丈島の温泉を1日で制覇するバス旅最強ルート【1,000円で2日間乗り放題&入り放題】

東京本土から南に280km、八丈島は知る人ぞ知る温泉天国! ひなびた共同浴場から、海をみおろす絶景露天風呂まで、6軒の共同浴場に入れます。

町営の路線バスに乗って2日間好きなだけ温泉めぐりができる「BU・S・PA(バスパ)」は、なんと1,000円! 使わない手はありません。

時刻表とにらめっこしていたら、1日で6湯入りつくすルートを見つけたので、ご紹介します。

※移動手段の話を飛ばして温泉の話から読みたい方はこちら

八丈島の温泉&バス攻略法:バスも温泉も、南の坂上地区へ

 
出典:八丈町営バス

八丈島は、ひょっこりひょうたん島のような形をしています。2つの丸がくっついた形で、つなぎめの部分が中心街(坂下地区)です。北側の丸は八丈富士で、南側の丸の方に温泉と集落(坂上地区)が集まっています。

町営バスは2系統。中心街をまわる循環バスと、島の中心街から南側を結ぶ路線です。温泉に行くには、後者(神湊~末吉)を使いましょう。

ルール説明:フェリーor飛行機で入島し、終バスまで。泊まって楽しもう

八丈島に行くには、客船と飛行機の2通りの方法があります。客船は東京竹芝港から出ており、行きは22時30分に本土を出て、8時30分に到着します。お手頃で大きな荷物も持ち込めるので、ダイビングや釣り・サイクリングなどのアウトドア派におすすめです。

もう1つは、羽田空港からの飛行機。1日3往復出ており、1時間もかからず到着します。早朝から夕方まで出ており、なるべく島で長く過ごしたい方におすすめです。

今回は、8時30分に底土港(そこどこう)に入港するフェリーを使って、島に1泊する想定でルートを考えました。ANAの1便も8時25分に空港に着くので、飛行機で島に入る方も使えるルートです。

なお、八丈発羽田ゆきの最終便は17時30分発。タクシーやレンタカーを使えば日帰りで6湯めぐり切れないことはないのですが、せっかくなので泊まっていきましょう。

1本目:洞輪沢温泉・みはらしの湯(三根駐在所→末吉温泉前)

では早速、東京竹芝からの夜行フェリーが発着する「底土港(そこどこう)」からバス停を目指しましょう。

底土港から最寄りのバス停は、歩いて25分ほど。ゆるやかな坂道をまっすぐのぼります。

神社を右に曲がると、大きなオレンジのひさしが目印の「ブーランジェリー」が見えてきます。その名の通り、ケーキ屋さん。焼きたてのパンも朝から並びます。

手書きの値札がかわいい、どこか懐かしいたたずまいのケーキたち。

ブーランジェリーの向かいには、小さなスーパー「あめのもり」が。

明日葉のナムルなど、ご当地感のあるお惣菜も並んでいます。ここでお昼ご飯を買って出発しましょう。

三根駐在所(みつねちゅうざいしょ)9:33 → 末吉温泉10:11

この日は雨だったので、ダイビングやサーフィンをあきらめた人たちで バスは満員でした。すっきりしない空模様の中、バスはどんどん南へ進みます。ほぼ終点の「末吉温泉」で下車します。

「末吉温泉」とは、海を一望する露天風呂で有名な「みはらしの湯」のことですが、あえてスルーして一人だけ別の方向に歩きます。

道端の花が南国っぽくて、八丈島にいることを実感します。ふと立ち止まって花を眺める余裕があるのが、徒歩のいいところです。

断崖が海のギリギリまで迫る中、ポツンと建つ小屋が、1湯目の「洞輪沢温泉(ぼらわざわおんせん)」。知る人ぞ知る、穴場の名湯です。

漁師さんたちが管理する共同浴場で、なんと無料で入れます。

手書きの「入れます」という看板がうれしいですね。

利用者をかぞえるためのカウンターをカチッと押して、着替えます。

色とりどりのカゴが並ぶ、手作り感あふれる脱衣所がたまりません。

温泉の成分で焦げ茶色になった床がたまりません。

ぬるめの源泉が加温されずにザバザバとかけ流されています。湯温はぬるめで、体感37~38℃くらい。ゴボゴボと注がれる源泉の近くでポカポカあたたまるもよし、離れたところでぬる湯にじっくりつかるのもよし。楽しみ方は色々です。

誰も入っていないのに湯面が波立つほどの勢い。こんなに贅沢な温泉はなかなかお目にかかれません。

お湯はカルシウムが多めの「炭酸水素塩・塩化物泉」。海沿いの温泉の割には塩分が薄めで、舐めてみるとミネラルの甘みが感じられました。

管理してくださる地元の方に感謝して、きれいに利用しましょう。

「洞輪沢温泉」の詳細情報

施設名 「洞輪沢温泉」
住所 東京都八丈島末吉無番地
電話番号 なし
営業時間 9時00分〜21時00分
定休日 毎週月曜日
利用料金 無料
アクセス 八丈島空港から車で約25分
八丈町営バス「末吉温泉」から徒歩約30分
URL https://www.town.hachijo.tokyo.jp/

雨がやんだので、洞輪沢の漁港でおやつタイムにします。温泉の自販機で買ったコーヒーと一緒に、ブーランジェリーのオリジナル「パッションフルーツのケーキ」をいただきます。

甘酸っぱいムースが軽やかで、ぺろりと食べてしまいました。

来た道を引き返し、「みはらしの湯」へ。海を一望する露天風呂が人気で、八丈島の温泉でもっとも有名です。小高い丘の上に建つきれいな温泉で、先ほどの「洞輪沢温泉」とは全く異なります。

温泉は撮影禁止のため、写真ではお伝えできませんが、塩分を含む黄金色の濃いお湯がしっかりかけ流されており、ポカポカとよく暖まりました。景色だけでなく、泉質もさすがです。

木をふんだんに使った休憩スペースを自由に利用できます。次のバスまでのんびりと待つ観光客が多いですが……。

あめのもりで買ったツマミを開けて、「昼間からビール」を解禁しました。風呂上がりの一杯を遠慮なく楽しめるのは、バスの旅ならではです。

あしたばナムルは、あしたばのほろ苦さがごま油に包まれて最高の味わいです。茹でたあしたばがびっしり入っていたので、見た目以上に大満足でした。ムロ(ムロアジ)のフライとコロッケもビールが進む味です。

※飲酒後の入浴はのぼせやすくなるため、注意してください。

タオルを忘れた方は、黄八丈をイメージしたオリジナルタオルを購入できます。雨が降って急遽温泉めぐりをすることになっても安心です。

「末吉温泉 みはらしの湯」の詳細情報

施設名 「末吉温泉 みはらしの湯」
住所 東京都八丈島末吉589-1
電話番号 04996-8-1933
営業時間 10時30分〜21時30分(21時最終受付)
定休日 火曜日(祝日・年末・夏季は営業)
利用料金 大人500円
アクセス 八丈島空港から車で約25分
八丈町営バス「末吉温泉」下車
URL https://www.town.hachijo.tokyo.jp/

2本目:ふれあいの湯(末吉温泉→樫立温泉)

ふたたびバスに乗り、「樫立温泉」でおります。午後のバスは、道路沿いのバス停ではなく、温泉の駐車場まで入ってくれます。

末吉温泉12:48 → 樫立温泉 13:05

樫立温泉とは、八丈島の木で建てられたログハウスが素敵な「ふれあいの湯」のこと。バスの時間の関係で、西端の温泉に先に向かいました。

こちらも塩分が濃い「塩化物 強塩泉」。熱めのお湯はピリリとした刺激があります。

天井が高い内風呂も、寝湯ができる露天風呂も、ひなびた湯小屋の雰囲気を感じられつつ、広々として快適です。

受付のおばちゃんも、常連さんもみんな知り合い。アットホームな雰囲気で、これぞ共同浴場!という風情があります。

「樫立温泉 ふれあいの湯」の詳細情報

施設名 「樫立温泉 ふれあいの湯」
住所 東京都八丈島樫立1812-3
電話番号 04996-7-0788
営業時間 10時00分〜22時00分(21時30分最終受付)
定休日 月曜日(祝日・年末・夏季は営業)
利用料金 大人300円
アクセス 八丈島空港から車で約15分
八丈町営バス「樫立温泉」下車
URL https://www.town.hachijo.tokyo.jp/

3本目:やすらぎの湯、裏見ヶ滝温泉、ザ・BOON(樫立温泉→中田商店前)

小雨が降る中、3本めのバスに乗ります。「○○温泉」というバス停ではありませんが、3軒もの温泉が集まる中之郷エリアに向かいます。

今回訪れたときは、「裏見ヶ滝温泉」と「ザ・BOON」が休業中。残念ながら、「やすらぎの湯」にしか入れませんでした(3湯をめぐる入浴時間は十分に確保できます)。

かわりに「裏見ヶ滝」を散策してから「やすらぎの湯」へ向かいました。名前の通り、裏から見る滝は絶景! 後で説明しますが、町営バスと温泉が利用し放題の「BU・S・PA(バスパ)」は2日間有効なので、温泉めぐりの合間に観光を楽しむのがおすすめです。

樫立温泉13:56 → 中田商店前14:03

手作り感のある看板に誘われ、「やすらぎの湯」を目指します。バス停からずっと坂を下りて、海に近づきます。

海沿いの崖の上に建つ小さな温泉で、露天風呂こそありませんが、窓からの眺めはなかなか。晴れた日には青ヶ島も見えるそうです。

お湯は無色透明の塩化物泉。みはらしの湯やふれあいの湯に比べてまろやかなお湯で、上がり湯に良いです。湯舟は内湯ひとつで、やや熱めです。

休憩室には、地元の方が活けた花が飾られていました。毎日のように花を持ってきてくれる方がいるのだと思うと、いかに地元の人に愛されている温泉かが実感できます。

「中之郷温泉 やすらぎの湯」の詳細情報

施設名 「中之郷温泉 やすらぎの湯」
住所 東京都八丈島中之郷1442
電話番号 04996-7-0779
営業時間 10時00分〜21時00分(20時30分最終受付)
定休日 木曜日(祝日・年末・夏季は営業)
利用料金 大人300円
アクセス 八丈島空港から車で約15分
八丈町営バス「中田商店前」から徒歩約13分
URL https://www.town.hachijo.tokyo.jp/

やすらぎの湯のすぐ近くに、足湯「きらめき」もあります。

やすらぎの湯と同じ中之郷温泉を引いており、海を眺めながらのんびりとくつろげます。

「足湯きらめき」の詳細情報

施設名 「足湯きらめき」
住所 東京都八丈島中之郷
電話番号 なし
営業時間 11時00分〜21時00分
定休日 年中無休
利用料金 無料
アクセス 八丈島空港から車で約15分
八丈町営バス「中田商店前」から徒歩約15分
URL https://www.town.hachijo.tokyo.jp/

やすらぎの湯から坂を上がると、洋風のおしゃれな建物が見えてきます。「ブルーポート・スパ ザ・BOON」です。

八丈島で唯一サウナやジャグジーなどを備えた共同浴場で、一日中のんびりと過ごせそうです。

※2022年7月現在、ボイラー機器の故障により臨時休業中です。

「ブルーポート・スパ ザ・BOON」の詳細情報

施設名 「ブルーポート・スパ ザ・BOON」
住所 東京都八丈島樫立1448-1
電話番号 04996-7-0123
営業時間 10時00分〜21時00分(20時30分最終受付)
※2022年7月現在、休館中
定休日 水曜日(祝日・年末・夏季は営業)
利用料金 大人500円
アクセス 八丈島空港から車で約15分
八丈町営バス「中田商店前」から徒歩約13分
URL https://www.town.hachijo.tokyo.jp/

最後に訪れる温泉は、「裏見ヶ滝温泉」。無料で入れる混浴の露天風呂で、自然の中にとけこむ雰囲気が人気の温泉です。

地元の方のおかげできれいに管理されています。水着の着用が必須なので、忘れないようにしましょう。

なお、裏見ヶ滝温泉とザ・BOONは同じ源泉を利用しています。

※2022年7月現在、ボイラー機器の故障により臨時休業中です。

「裏見ヶ滝温泉」の詳細情報

施設名 「裏見ヶ滝温泉」
住所 東京都八丈島樫立1246
電話番号 なし
営業時間 9時00分〜21時00分
※2022年7月現在、休館中
定休日 年中無休
利用料金 無料
アクセス 八丈島空港から車で約15分
八丈町営バス「中田商店前」から徒歩約10分
URL https://www.town.hachijo.tokyo.jp/

4本目:民宿街へ帰る(中田商店前→神湊方面)

路線バスだけで八丈島の温泉を楽しみつくし、宿に戻ります。

中之郷温泉郷の最寄りバス停「中田商店前」からバスに乗ります。

中田商店前 16:38/18:15 → 護神 17:05/18:39
中田商店前 15:55/17:50 → 末吉 16:08/18:00

くさやと島焼酎。八丈島のくさやはマイルドで食べやすいです。

八丈島の民宿はリーズナブルで食事が美味しいところが多く、また島の中心部には居酒屋もたくさんあります。素泊まりでも食事つきでも、島のグルメは存分に味わえます。

まる一日温泉めぐりをしてクタクタになった身体に、島焼酎がしみます!

スーパーあさぬまの島寿司。洋辛子で食べるのが八丈島流

素泊まりの方は、終バスの1本前に乗って循環バスに乗り換え、「スーパーあさぬま」に行っても良いでしょう。八丈島最大のスーパーマーケットで、島焼酎や島寿司といった八丈島ならではの晩ご飯を買えます。

八丈島で温泉めぐりをするなら、2日間乗り放題の「BU・S・PA(バスパ)」を使おう

八丈島の路線バスと温泉が1,000円で2日間使い放題になる、破格のきっぷが「BU・S・PA(バスパ)」です。

当日バス車内で購入できるほか、ジョルダンの乗換アプリをインストールしておくとスマホ版を事前に購入できます。今回スマホ版を使ってみたところ、スムーズに利用できてクレジットカード払いができるのもありがたかったです。

スマホ版では、最初に利用するバスと温泉それぞれで画面操作が必要になります。バス・温泉利用時に画面をみせる必要がありますが、島内は一部電波が悪いところもあるので気をつけましょう。

なお、八丈島の温泉は、600円で1日共通券を購入できます。バスには乗らない方も、お得に温泉を楽しめます。

今回訪れた温泉と、主なバスルートをまとめました(バスのルートは実際とやや異なります)。

八丈島の温泉における新型コロナウイルス対策

八丈島は離島のため、特に丁寧な新型コロナウイルス対策が求められます。

温泉を利用する際は、入館時の検温・消毒を行いましょう。また、濃厚接触者が出た場合にそなえて、連絡先を記入しましょう。

温泉施設の新型コロナウイルス対策については、下の記事も参考にされてください。

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