三宅島の日帰り温泉「ふるさとの湯」はハイキング後におすすめ!ランチ情報も

東京本土から南に80km。伊豆諸島の三宅島には、都内とは思えない別世界が広がっています。

ダイビングや釣りが人気ですが、ハイキングもおすすめ。夜行船で早朝に着いたら、たくさん歩いて最後に温泉で汗を流しましょう。

三宅島唯一の温泉「ふるさとの湯」で、海を眺めながら、力強いお湯を楽しみました。

活火山を目指して歩いてみる

三宅島に着いたのは朝の5時。まだ薄暗い中船を降りると、民宿の出迎えの車がたくさん停まっていました。

多くの宿では朝食と仮眠付きのアーリーチェックインをオプションで用意しているので、体を休めてから島を満喫できます。私は何も決めていなかったので、臨時の路線バスに乗ってとりあえず移動することに。

島には3つの港があり、当日の天候次第でどこに着くか決まります。この日は北西部の伊ヶ谷港(いがやこう)でした。

バスを適当に降りて歩きます。三宅島は神社が多い島だそうで、島をぐるっと一周する道路を歩いていると、何キロかおきに鳥居が現れます。

強風の中、雄山と伊豆七島を眺める

ハイキングコースにもなっている林道を通って、島の真ん中にそびえる雄山(おやま)の外輪を一周する道に出ました。

三宅島は1983年と2000年に噴火を起こしており、4年半におよぶ全島避難を記憶している方も多いのではないでしょうか。

避難指示は解除され、ガスマスクの携帯も必要なくなったものの、この林道より内側は現在も立入禁止となっています。

かつて村営牧場があったことを教えてくれるサイロは、1つだけポツンと立っています。薄くなった観光案内板にある観光農場は、見渡す限り軽石と草木に覆われています。

丘を登って「七島展望台」へ。びゅうびゅうと吹き荒れる強風は、噴火によって木々が失われたためでしょうか。油断していると飛ばされてしまうのではないと思うほどの風を背に受け、リュックの紐を握りしめて登ります。

霞んだ空の向こうに、大島、利島、新島、式根島、御蔵島、八丈島が見えました。伊豆七島の真ん中に位置する三宅島ならではの景色です。

晴れた日は富士山まで見えるそうですが、十分すがすがしい空で、ほんのりと草いきれの混じった空気は何だか本土と違う気がしました。

いざ温泉へ!赤茶けた湯が心地よい

気づけば11時近くになっていました。朝5時についてから、移動や休憩を除いても5時間以上歩いていた計算になります。日常生活でこんなに歩くことはないので、急に疲れを感じてきました。

集落に向かう林道を降りて、温泉に向かいました。村役場の臨時庁舎がある阿古地区に「ふるさとの湯」があります。フェリー発着港のひとつ、錆ヶ浜港からは徒歩5分ほどです。

入浴券を買って、いそいそと温泉へ。

モール系と塩分の混じった濃いお湯は力強く、三宅島の赤茶けた土を思わせる色に思わずうなりました。モール泉の紅茶色とも、塩化物泉の黄金色とも異なる色で、湯面にはかすかに湯の華が浮かんでいました。

お湯は消毒こそされているものの、源泉かけ流し。湯口付近は体感41℃で、端の方では39℃くらいになります。ぬるめなので、地元の方ものんびりと湯につかっていました。

露天風呂の広さの割には温度差が少なく、湯量の豊富さをあらためて実感しました。なんでも、阿古地区はかつて温泉郷だったそう。現在、三宅島で温泉に入れるのは「ふるさとの湯」1か所ですが、1983年の噴火の前は温泉郷としてにぎわっていたそうです。

立ち上がると、青々とした太平洋が一望できます。近くに駐車場や釣りスポットがあるため、目線をさえぎるパネルが設置されていますが、開放感はバツグン。

島の西側なので、夕焼けが美しく、特に人気の時間帯なのだそうです。入浴券の写真を見て、今度は夜に来ようと思いました。

内風呂はやや熱めの42℃。塩分がピリッとくるので、初めはとても熱く感じますが、慣れると丁度良いです。

内風呂からも海を一望できます。温泉に入りながら夕焼けを見るなら、内風呂からの方が良いかもしれません。

印象的なのは、洗い場の広さ。数えてみたら、シャワーが17ヵ所ありました。露天風呂・内風呂とも、十数名は楽に入れる広さです。

コロナ対策として入場制限を行っていますが、男湯・女湯それぞれ30名とのことで、かなり広いです。

脱衣所のロッカーが大きめでリュックサックも楽々収納

脱衣所は木がふんだんに使われ、ぬくもりのある空間になっています。

ロッカーはすべて鍵つきで、受付で下駄箱の鍵と交換してもらうスタイルです。帰るときに「あれ? 下駄箱の鍵どこやったっけ?」と迷うことがないので、ありがたいです。

ロッカーは大きめで、リュックサックも楽々収納できます。奥行きがしっかりあるのがうれしいところ。

水も飲めるのがとてもありがたいです。塩分濃度が高いので、長時間つかっていると身体の水分が失われてしまいます。入浴の前後にコップ1杯を目安に、水分補給をしましょう。

受付の横には、自動販売機もあります。本土と変わらないお値段です。

全体的に段差が少なく、お年寄りやお子さん連れの方も使いやすいです。

三宅島「ふるさとの湯」の新型コロナウイルス感染症対策

三宅島「ふるさとの湯」では、入館時の検温・手指の消毒を行っています。

また、混雑時は男湯・女湯それぞれ30名以内の入場制限を行います。とても広いので、30人が入っても密には感じません。

特に混雑する時間帯は、利用を1時間以内にする、入浴中の会話を控える「黙浴」なども心がけましょう。

安全で楽しい温泉旅行を! 温泉施設の新型コロナウイルス対策ガイドライン

三宅島「ふるさとの湯」の詳細情報

施設名 三宅島「ふるさとの湯」
住所 東京都三宅村阿古644
電話番号 04994-5-0426
営業時間 4~9月 :11時00分~21時00分
10~3月:11時00分~20時00分
定休日 水曜日(祝日の場合は翌日)8月は無休
利用料金 大人:500円 小人:250円(6歳以上12歳未満)
幼児:無料(6歳未満)
65歳以上の島民:250円
岩盤浴(90分)500円 ※2022年5月現在、利用停止中
アクセス 錆ヶ浜港から徒歩約5分、三宅村営バス「二島」下車 徒歩5分
URL https://www.miyakejima.gr.jp/play/furusatonoyu/

ランチはすぐ隣の「ふるさと味覚館」で

「ふるさとの湯」のすぐ隣には、「ふるさと味覚館 宙-SOLA-」があります。新しい建物で、密を避けるためにテーブルの間隔が広くとられており、とても快適です。

三宅島でもここだけでしか飲めない「明日葉ビール」(800円)が名物。明日葉の爽やかな香りがビールの苦みを打ち消して、ごくごく飲めてしまいます。

ランチは日替わり定食を数種類から選べます。この日は連休中だったので、特別メニューの「三宅島御膳」(2,000円)がありました。新鮮な魚をあえて漬けにしていただく島寿司に、明日葉のかき揚げが載った明日葉そばと、島料理が豪華共演しています。

島寿司は、とろりとした漬けのネタから旨味があふれ出します。醤油が効いているので、お酒が進みます。

明日葉のかき揚げは、エビと小柱も入った贅沢仕様。サクサクの部分と、つゆのしみたふわふわの部分を一緒に食べるのが最高です。

黄緑色の鮮やかな明日葉そばと一緒に、ズルズルとかきこみました。

この日のランチは4種類。お昼は日替わりメニューのみなので、入店時に黒板をご確認ください。

「ふるさと味覚館 宙-SOLA-」の詳細情報

施設名 「ふるさと味覚館 宙-SOLA-」
住所 東京都三宅村阿古644
電話番号 04994-5-0630
営業時間 11時30分~14時00分
17時30分~22時00分(ラストオーダー21時)
定休日 水曜日
アクセス 錆ヶ浜港から徒歩約5分、三宅村営バス「二島」下車 徒歩5分
URL https://www.miyake-sola.com/

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