「温泉マーク」発祥の群馬県「磯部温泉」で効能豊かな塩化物泉を堪能!

日本に訪れる外国人観光客を呼び込もうとした「Visit JAPAN」キャンペーンから早10数年。その成果か、いまや3000万人近くの外国人が毎年日本を訪れています。

日本の文化である「温泉」は、もちろん大人気! 訪日外国人に対するアンケートでも、ランキング上位に「温泉」の項目が上がります。

外国人の温泉人気の高まりにより話題となったのは、温泉地でおなじみの「温泉マーク」。海外の方にはわかりにくいのでは?という意見から、新マークの導入が検討されています。

クラゲが逆さまになったような可愛らしいディティールは、まさに温泉地のシンボル。

今回は、そんな「温泉マーク」の元祖・発祥地とされている、群馬県の「磯部温泉」をご紹介します。

温泉マーク発祥の地・群馬県「磯部温泉」

日本人にとって馴染み深い「温泉マーク」の発祥地とされている、群馬県「磯部温泉」。群馬県南西部の安中市に湧く温泉で、世界遺産に認定された「富岡製糸場」のほど近くに位置しています。

磯部温泉街は、JR「信越本線・磯部駅」を起点に広がり、昭和の風情を残す昔なつかしい雰囲気。肝心の「温泉マーク」は、駅前の記念碑に記されています。

登場のきっかけは江戸時代の裁判?

「温泉マーク」の登場は、1661年(万治4年)とされています。きっかけは、なんと農民同士の裁判。

土地の境界をめぐる争いに決着をつける評決文の中に表記。温泉から水蒸気が上がる様子を表現するために記号化したのだそうです。

温泉マークの歴史を見る

ノスタルジックでどこかホッとする温泉街

江戸時代からの古い歴史を持つ磯部温泉には、現在10軒弱の旅館や温泉施設が営業しています。

名物である源泉を使用した「磯部せんべい」のお店や、足湯などのスポットも点在し、ゆったりと温泉街を散策するのもおすすめです。

磯部温泉随一の老舗旅館「磯部館」へ

「温泉マーク」の元祖である磯部温泉。せっかくなので、そのお湯を堪能してまいりました。

訪れたのは、磯部温泉随一の歴史を誇る老舗旅館「磯部館」。この地域には、「舌切り雀」伝説も伝わるため、「雀のお宿」とも云われています。そんな旅館は、純和風のしつらえの格式高い雰囲気。5階建の施設は、大手旅館特有の安心感と安定感があります。

 

「磯部の湯」は効能豊かな塩化物泉

磯部館のお風呂は、碓氷川沿いにつくられた男女別の大浴場。岩や石を配し、広々とした内湯と、シンプルに木のぬくもりと温泉を楽しめる「箱庭」のような露天風呂で構成されています。内湯でお湯に全身をまかせる開放的な湯浴みでリフレッシュするもよし、露天で静かにお湯と川の流れる音に耳を傾け、リラックスするもよし。気分に合わせてそれぞれの楽しみ方ができます。

 

そんな磯部温泉の泉質は、ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。

源泉は9.6℃と冷たいため、加温と循環を行なっておりますが、お湯の個性はしっかり感じることができます。塩化物泉らしく、舐めると程よくしょっぱく、薄いお吸い物のような味。透明ですが、ほんのり白く見えるお湯は、トロトロとしていて肌にまとわりつく優しい感触です。

また、重曹の成分も多く含まれるため、すべすべとする肌触りも気持ち良く、湯上がりは、お肌すべすべで+しっとり。そして塩化物の温まり効果で、身体は芯までポカポカでした。

江戸時代から湯治場として栄えたという磯部温泉の効能の高さを、1回の入浴で実感することができました。

塩化物泉について

炭酸水素塩泉について

近くには「そば」の名店も

磯部の効能をしっかり体感した後はお腹も空いてきます。

今回は、磯部温泉街から車で約10分の場所にあるそば屋「いちよし」へ。温泉街からは少し離れますが、温泉とそばの相性は抜群。十割そばにこだわり、化学調味料も使わないという、地元でも有名な手打ちそばの名店です。

 

注文したのは、群馬県の地鶏を使用した「赤城鶏南蛮そば」。濃厚なうまみのとけ込むだし汁に、そばの香りが心地よい麺がよく合います。ふんだんに入っている赤城鶏もジューシーで柔らかく、数分でだし汁まで完食。野菜たっぷりでサクサクな「かき揚げ」とともに食すとさらに満足できることでしょう。

 

ノスタルジックでアットホームな磯部の旅

「温泉マーク」発祥の地、というイメージが先行する磯部温泉。ですが、その実態は、昔ながらの雰囲気を残すノスタルジックでアットホームな温泉地でした。古くからの歴史を残す名湯らしく、効能豊かな温泉や老舗のそば屋等、個々の実力も粒ぞろい。群馬県の温泉といえば、天下の名湯・草津温泉や、風情ある石段の伊香保温泉等、全国区の名湯が君臨していますが、磯部温泉のような実力派の温泉もたくさん残っています。また、東京からのアクセスも良く、スムーズに行けば、都内から2時間足らずの距離感も魅力的。賑やかな温泉への旅も楽しいですが、静かでどこか懐かしい温泉への旅も「乙」だなあと思います。

「磯部温泉」の施設情報

施設名 雀のお宿 磯部館
住所 群馬県安中市磯部1−5−5
電話番号 027-385-6411
URL https://www.isobekan.com
泉質 ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉(低張性 中性 冷鉱泉)
泉温 9.6℃
pH 7.2
湧出状況
湧出量
加水 あり
加温 あり
消毒 あり
かけ流し

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