茨城に湧く、琥珀色の源泉かけ流し露天風呂「ホテルレイクサイドつくば」

温泉の空白地帯といわれる茨城県。温泉旅行を考えるときに、茨城県が思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。

しかし侮るなかれ。

よくよく調べてみると、草津や箱根のような巨大温泉地こそないものの、田園風景の中に一軒宿がポツンと佇むような小さな温泉地が各地に点在しています。そうしたところは昔ながらの素朴な宿が多いのですが、今回ご紹介するのはその中でも異色といえるリゾートホテル系の温泉です。

私が訪れた「ホテルレイクサイドつくば」は、つくば市の郊外の牛久沼ほとりに建ち、「源泉かけ流し」を堪能できる露天風呂が魅力の温泉です。

つくばが誇るリゾートホテル

茨城県南部に位置するつくば市。JAXAや国土地理院や筑波大学など、多くの研究機関が集まる未来学園都市としての地位を築いていますが、郊外はどこか懐かしい田園風景が広がっています。

「ホテルレイクサイドつくば」は、そんな穏やかな空気が漂う牛久沼のほとりに佇んでいます。ゴルフ練習場、テニスコート、フットサルコート、プール等完備のリゾートホテル。

茨城県の南部に位置するため、都心からなら車で1時間ほどの距離。電車利用なら、つくばエクスプレスの「みらい平駅」、またはJR常磐線の「佐貫駅」からホテルまで送迎もお願いできます(送迎は宿泊利用のみ)。

2階の「展望大浴場」

「ホテルレイクサイドつくば」は二つの大浴場をそなえています。

まずはホテル2階にある「展望大浴場」へ。こちらは内湯のみですが、大きな窓からは、牛久沼やホテルの屋外プールを一望することができます。

もちろんシャワーもカランも完備され、脱衣所にはドライヤーのほか化粧水や乳液も揃っており、アメニティもバッチリ。屋外プールを望む景色に、このアメニティの充実度は、さすがリゾートホテル。「ひなびた温泉」好きの私ですが、たまにはリゾートホテル系の安定感のあるクオリティも嬉しいところです。

お風呂は10人以上が入れそうな大きな湯船がひとつあり、そこにはホテル自慢の温泉がたっぷりと注がれています。しかし、ここの湯船は「循環ろ過式」。自慢の「源泉かけ流し」は、地下にある「露天風呂」に行ってからのお楽しみ。

地下の露天風呂で楽しめる「源泉かけ流し」

もうひとつのお風呂は地下1階にあリます。こちらは露天風呂のみ。2012年に完成されたばかりの新スポットです。

室内の脱衣所で裸になり、外にある階段を下り、露天風呂スペースへ向かいます。

露天風呂は二つの丸い湯船がありますが、そのひとつはなんと「源泉かけ流し」。源泉温度が31度とぬるめのため加温こそしていますが、茨城県では貴重な源泉かけ流しが堪能できるのはうれしいですね。

もちろん露天風呂なので、景色も素晴らしい。都会の喧騒から離れた牛久沼を望む空間は、空がとても広く開放感抜群。空気も澄んでいて思わず深呼吸したくなります。

また、牛久沼のど真ん中に佇んでいるホテルのため、周りは民家もなく街灯も少ない環境。そのため、天気が良ければ夜間は満天の星を眺めながらの湯浴みが楽しめることでしょう。

しっかり塩ダシ味のモール泉

泉質は、「ナトリウム-塩化物泉」。「源泉かけ流し」の湯船には、茶色の湯の花が舞う琥珀色の美しいモール泉でもあり、舐めるとほどよく塩ダシ味のきいた味です。「源泉かけ流し」の湯船のお湯も塩素消毒されているため、多少の「塩素臭」は気になるところですが、湯口からはモール泉特有の新鮮な植物のような「甘い香り」がほのかに感じられるのが嬉しいところ。

「塩化物泉」の効果効能

泉質名 塩化物泉(掲示用泉質)
浴用適応症 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用適応症 萎縮性胃炎、便秘 ※ホテルレイクサイドつくばは飲用許可なし

塩化物泉についてもっと詳しく

また、ツルツル感とキシキシ感を同時に感じる厚みのある肌触りは「源泉かけ流し」でしか味わえない贅沢なもの。必然的に「源泉かけ流し」の湯船で過ごす時間が長くなります。

レストランもリゾートホテルクオリティ

温泉に入ればお腹も空いてきます。

今回はせっかくなので、ホテル1階にあるレストラン「ひまわり」へ。

リゾートホテルらしいゆったりとしたスペースで食事を楽しむことができます。

ランチタイムには料理長おすすめの「松花堂弁当」を始め、一品料理から四季折々のコースなど様々なメニューがありますが、この日は「鶏と野菜の石焼きスープ定食」を注文。ヘルシーかつボリューム満点なメニューでお腹も心も満足です。温泉で温まった身体に、熱々の石焼きスープで汗が止まりませんでしたが、味も美味しく一瞬で胃袋へ。リゾートホテルは食事のクオリティも高いことを実感しました。

温泉の「穴場」茨城へ

茨城県に、「源泉かけ流し」の露天風呂を楽しめるところもあります。しかも都心から1時間というアクセスの良さも魅力。

また、リゾートホテルにふさわしい安定したクオリティは、安心して温泉を楽しむには重要な要素です。

草津や箱根などの巨大温泉地で過ごす時間も楽しいですが、たまには気分を変えて、茨城方面の温泉を楽しむ「乙」な旅行に出かけてみてはいかがでしょうか。

「ホテルレイクサイドつくば」の詳細情報

施設名 ホテルレイクサイドつくば
住所 茨城県つくば市下岩崎7-8-1
電話番号 029-876-5050
URL https://www.lakeside-tsukuba.jp/
泉質 ナトリウム−塩化物温泉(低張性 弱アルカリ性 低温泉)
泉温 31.0℃
pH 7.6
湧出状況 動力揚湯
湧出量 250L/分
加水 なし
加温 あり
消毒 あり
かけ流し 露天風呂の主浴槽:加温かけ流し
ほか:加温循環ろ過

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