「モール温泉(モール泉)」は、以前は海外を含めても2か所でしか楽しめなかった世界的にも珍しい温泉。今回は、知る人ぞ知るモール温泉について、特徴からおすすめ施設までをご紹介します!
目次
モール温泉とは? 泉質は?
「モール温泉」は、植物性の有機質を含む温泉のこと。「モール泉」とも呼ばれています。泥炭(湿地植物などが枯死して炭化した石炭)や亜炭層(酸化程度の低い石炭地層の一種)から源泉をくみ上げるため、亜炭などを意味するドイツ語「Moor(モーア)」が名前の由来とされています。
覚えておきたいのは、「モール温泉」は温泉の法律である「温泉法」や温泉を定義する「鉱泉分析法指針」に記載がありません。これは「モール温泉」という泉質に明確な定義がないことを意味します。
しかしながら、「北海道遺産」に登録されるなど、多くの人々に親しまれているのは事実。以下で特徴などを詳しく解説していきます。
モール温泉の特徴は?
モール温泉の特徴のひとつが、植物由来の有機物(腐植質)を含有することによる“色”。基本的に温泉は最初は無色透明で、空気に触れることで乳白色や黒色などに色づきますが、モール温泉は湧き出たときからすでにコーラのような茶褐色か赤褐色になっているんです。匂いはほとんどありません。
モール温泉の効果効能について
「1」で述べた通り、モール温泉の泉質に確固たる定義はありません。モール温泉を謳う温泉地は各地にありますが、環境省が定める療養泉の分類上では、単純温泉や塩化物泉、炭酸水素塩泉などの泉質に分類されます。効果効能はそれらの泉質によって異なるため、「モール温泉」に特定の効果効能があるわけではないのです。
ただ、植物性の有機質を含むモール温泉と呼ばれる温泉は、性質がアルカリ性寄りになる傾向があります。そのため、入ると肌がツルツルした印象になるいわゆる“美肌の湯”であることが知られています。
モール温泉が楽しめるおすすめ人気温泉宿3選
モール温泉は、かつては世界的に見ても、ドイツの南西部に位置するバーデン・バーデン地方と、北海道・十勝川温泉の2か所のみでした。しかし、掘削技術の進歩により、日本においてはここ数年で北海道以外にもいくつか湧出が見られるようになっています。
ここでは、モール温泉が楽しめる宿泊施設を3つに絞ってご紹介!
モール温泉おすすめ01「十勝川温泉 第一ホテル 豊洲亭・豆陽亭(北海道)」
日本でのモール温泉発祥の地ともいえる十勝川温泉にある、大自然に囲まれたリゾートホテル。滝を見ながら浸かれる「庭園露天風呂」や、川と山の景色が望める「展望露天風呂」などでモール温泉を満喫できます。
施設名 | 十勝川温泉 第一ホテル 豊洲亭・豆陽亭 |
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住所 | 北海道河東郡音更町十勝川温泉南12−1 |
電話番号 | 0155-46-2231 |
モール温泉おすすめ02「東北温泉(青森県)」
施設名自体が「東北温泉」となっており、日帰り入浴のほか、宿泊もOK。お湯は“最も色が黒いモール温泉”と呼ばれ、入ると神経痛や五十肩などを改善する効果が期待できます。
施設名 | 東北温泉 |
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住所 | 青森県上北郡東北町字上笹橋21-18 |
電話番号 | 0175-63-3715 |
モール温泉おすすめ03「鶴丸温泉(鹿児島県)」
こちらの「鶴丸温泉」では、九州屈指の高濃度といわれるモール温泉が利用できます。美肌効果に優れるとされ、県外からも多くの人が訪れています。素泊まりが行え、事前に伝えれば食事つきの宿泊も可能です。
施設名 | 鶴丸温泉 |
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住所 | 鹿児島県姶良郡湧水町鶴丸622-5 |
電話番号 | 0995‐75-2858 |
モール温泉に一度は入ってみたい!
モール温泉は正式に定められた泉質ではありませんが、温泉通なら知っていて損はありません。一度体験してぜひ美肌になってください!
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