【三重県】榊原温泉「湯元榊原舘」が100周年記念グッズを「東大温泉サークルOKR」と共同開発

2019年3月19日に、三重県津市の「湯元榊原舘」が創業100周年記念グッズの発表会を開催しました。お披露目されたのは『枕草子』の一部が印刷された巻物のタオル「湯あみ草紙」。

共同開発をおこなった「東大温泉サークルOKR(おける)」の学生らも発表会に参加し、榊原温泉の魅力をアピールしました。

東大温泉サークルOKRの学生が書いた平安がなの文章を、三重県で100年の伝統をもつ「株式会社おぼろタオル」が最新技術で染め上げました。

清少納言の思いを現代に!学生目線が活かされた100周年記念グッズ

1919(大正8)年創業の「湯元榊原舘」。創業100周年記念に作られた「湯あみ草紙」は、お風呂の中で『枕草子』を楽しめる巻物のタオルです。『枕草子』といっても、リラックスして楽しめるようライトノベル調の現代語に訳してあります

タオルに載せる段の選定、口語訳、平安がなのデザインなどは、「東大温泉サークルOKR」のメンバーがおこないました。

山本鍛季(やまもと かじき)副代表(20)は、「わたしたちは、同世代の若者たちに温泉の魅力を伝えることを目標に活動しています。今回の企画は、温泉の魅力を発信する絶好の機会だと思いました」と語ります。

左から、湯元榊原舘・前田会長、3番目が東大温泉サークルOKR・高舘代表、4番目が同・山本副代表、5番目が同・野崎プロジェクトリーダー。

プロジェクトリーダーを務めた野崎啓史(のざき けいじ)さん(22)は、「難しいイメージがある『枕草子』ですが、現代の私たちにも共感できるところがあります。口語に訳す際に、『手紙』を『メール』に置きかえるなどの工夫をしました」と説明しました。

温泉好きな学生の目線が活かされた記念グッズ。湯元榊原舘の前田幹弘(まえだ つねひろ)会長(60)は、「100年の伝統に恥じない素晴らしいものができました。これからの100年も、皆様とのご縁を大事にしていきたいです」と満足気でした。

非売品タオルを手に入れるには?(4/4訂正)

また、4月4日から6日の消印で葉書を送った人の中から、抽選で100名にプレゼントします。

このほか、東京・日本橋の「三重テラス」で榊原温泉の温泉水を用いた化粧品等を5点以上購入した人にも贈呈します。

榊原温泉の歴史と「湯元榊原舘」100年の伝統

榊原温泉は、清少納言が『枕草子』で「湯は、ななくりの湯(=榊原温泉)、玉造の湯、有馬の湯」と述べるほどの名湯。貴族たちが伊勢神宮参拝の際に訪れたという、歴史のある温泉地です。

2019年に創業100周年を迎える「湯元榊原舘」も、こうした歴史と文化を活かした独自の宿泊プランを開発してきました。

東大温泉サークルOKRの学生たちは、かつて期間限定で登場した「平安麗御膳(へいあんうるわしのおもの)」を体験(※現在は受け付けておりません)。古代の乳製品「蘇」などの平安貴族が食べていたであろう料理を味わいました。

左上から時計回りに、「餺飥(はくたく=うどんの原型)」、「蘇(そ=牛乳を煮詰めたもの)」、「屯食(とんじき=おにぎりの原型)」、「餅餤(へいだん=おやきの原型)」。

また、ストレス度合いを滞在の前後で測定し比較する宿泊プランもあります。「アルカリ単純泉」というまろやかな泉質は、ストレス緩和が期待できるそうです。

30℃あまりの源泉の浴槽と、加温した浴槽があるのが特徴で、交互浴による健康促進が期待できます。画像は湯元榊原舘公式ホームページより。

「アルカリ単純泉」とは?

 

東大温泉サークルOKRのメンバー23名も、これらのプランを体験。東大温泉サークルOKRの高舘直稀(たかだて なおき)代表(21)は、「とろとろとしたお湯が印象的でした。また、ふだん食べる機会のない平安時代の料理を食べられたのも貴重な体験となりました」と振り返りました。

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