秘湯中の秘湯、最古の宿「鶴の湯温泉」。
ブナの原生林のひろがる大自然のなか、解放感と癒やしを探し求めた旅人が集う場所。
観光雑誌・TV・ラジオなど数々のメディアに紹介される、超有名! な東北・秋田県の温泉地「乳頭温泉郷」。
乳頭温泉郷を構成する7つの温泉宿のうち最も古くからあるお宿「鶴の湯温泉」は、温泉と聞いて真っ先に思いつく「秘境」「大自然」「露天風呂」「にごり湯」「源泉かけ流し」「混浴」「囲炉裏」「ランプ」のすべてが当てはまる秘湯中の秘湯です。

乳頭温泉郷最古の宿「鶴の湯温泉」入口
今回は、誰もが1度は泊まりたいと憧れる「冬の鶴の湯温泉」をご紹介します。

ロウソクを灯した大きな「かまくら」(冬季限定)
目次
5部屋のみ! 江戸時代から残る「本陣」
「鶴の湯温泉」は、約380年以上前からコンコンと湧き続けています。
『鶴の湯由来記』によると寛永15年(1638年)には温泉が活用されていたと記録されています。
寛永とは、令和から昭和、大正、明治…と数えると39も元号を遡らなければなりません。それほど伝統のある温泉なのです。

歴史のある鶴の湯温泉「本陣」5部屋
旅の疲れをとる旅館業として開業したのは、いまから318年前の元禄14年(1701年)。
この時に「本陣」が建てられました。
本陣は全7部屋ありますが、宿泊予約ができるのは5部屋(5組)のみ。
残り2部屋はお食事処となります。
宿泊予約は半年前から受付が開始されますが、すぐに予約でいっぱいになるお部屋です。

宿泊者の特権! ロウソクを灯したかまくらのある「本陣」が見られる
鶴の湯温泉には「本陣」のほかにも「1~3号館」「東本陣」「新本陣」といくつかの棟があり、全30室・収容人数100人ほどとなっています。
登録有形文化財! 「囲炉裏」と「ランプ」の極上空間
やはり最も人気な建物は「本陣」。登録有形文化財に登録されています。
昔ながらの造りで、屋根は茅葺き(かやぶき)、建屋は木造とほかの温泉旅館では味わえない温もりのある建築物です。

「囲炉裏」と「ランプ」の空間
テレビ、冷蔵庫、さらにはエアコンもなく、電波も入らず(暖房・wifiのみ有)、日々の忙しさや情報社会から離れ、自分を見つめなおす時間、いつの間にか忘れ去られていた時間を取り戻せるような空間です。

常備されているタオルセット
お部屋には、大雪にも対応したサイズ別の長靴と、色とりどりのタオルが常備されています。
源泉数6本、全15槽! すべて「自然湧出」
鶴の湯温泉の特徴は建築物だけではありません。温泉も期待を裏切りません!
温泉の浴槽数は男女浴槽と混浴浴槽をあわせると……
なんと全部で「15槽」!
1つの温泉宿で充実した湯めぐりが楽しめます。
男性が入れる浴槽は8槽、女性が入れる浴槽はなんと11槽です!
混浴の露天風呂が有名ですが、女性専用の露天風呂も2つ(3槽)あり、女性に優しい温泉になっています。

女性専用露天風呂「大白の湯」
宿泊者専用の浴槽は全5槽!
宿泊者は、館内にある内湯や、貸切風呂に入浴できます。
外湯にはシャワーやカランはありませんが、内湯には備えてあります。

日帰り入浴者用の案内図
日帰り入浴でも多くの温泉に入れますが、日中は日帰り利用の観光客が多いので、ゆっくりと浸かりたい方には宿泊がおすすめです。
源泉数は全部で6本!
源泉名は「白湯」、「黒湯」、「中の湯」、「滝の湯」、「鶴の湯」と
先ほどご紹介しました女性専用露天「大白の湯」の6つです。
それぞれの泉質を下の表にまとめました。
美人の湯 「白湯」 |
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型) 59.6℃、pH6.6、5~11月は加水 |
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子宝の湯 「黒湯」 |
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型) 58.7℃、pH6.8、源泉温度が熱いため加水 |
眼っこの湯 「中の湯」 |
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型) 45.1℃、pH6.7、7~9月は加水 |
うたせ湯 「滝の湯」 |
含硫黄・ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 51.7℃、pH7.0、7~9月は加水 |
混浴露天風呂 「鶴の湯」 |
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 37.6℃、pH7.3 |
※冬季は女性専用の中の湯源泉露天風呂と滝の湯が閉鎖されています。
成分名をたくさん並べられるとよく分からない、との声が聞こえてきそうですが、
たくさんの成分が入っているということは、様々な効果効能が得られることを表します。

「白湯」
温泉の効果は3つ!
上記したなかで注目したいのは「硫黄」、「塩化物」、「炭酸水素塩」の3つ!
それぞれの効果効能を知ることで温泉のありがたみを感じられます。
「硫黄泉」の効果効能
泉質名 | 硫黄泉(掲示用泉質) |
---|---|
浴用適応症 | アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・慢性湿疹・表皮化膿症(硫化水素型 については末梢循環障害を加える) |
飲用適応症 | 糖尿病・高コレステロール血症 |
硫黄泉についてもっと詳しく
硫黄泉(硫黄温泉)とは?効能や人気おすすめ温泉宿4選

「塩化物泉」の効果効能
泉質名 | 塩化物泉(掲示用泉質) |
---|---|
浴用適応症 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症 |
飲用適応症 | 萎縮性胃炎、便秘 |
塩化物泉についてもっと詳しく
塩化物泉とは?乾燥肌・アトピーへの効能や人気おすすめ温泉宿6選

「炭酸水素塩泉」の効果効能
泉質名 | 炭酸水素塩泉(掲示用泉質) |
---|---|
浴用適応症 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症 |
飲用適応症 | 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、糖尿病、痛風 |
炭酸水素塩泉についてもっと詳しく
炭酸水素塩泉とは?効能や人気おすすめ温泉宿3選から肌に良いと言われる理由まで


お目当て大露天風呂「鶴の湯」
絶賛! 名物「山の芋鍋」
歴史ある本陣に泊まり、6つの源泉、それも多くのお風呂に入れ、これだけでも大満足です。
しかし忘れてはいけないのは料理! 最後に食事についてご紹介します。

山菜料理がメインの夕食
本陣宿泊の場合、夕食はなんと部屋食!
外はマイナス気温の極寒のなか、各部屋まで従業員の方が運んでくださいます。
御膳は多くの山菜料理で埋め尽くされています。
今回はキノコ類が多めでしたが(これがまたとっても美味!)、季節にあわせて食が変化するのも魅力です。

囲炉裏で炭火焼き「岩魚(イワナ)」
そして、本陣内の囲炉裏にはじっくり炭火焼きされた岩魚があります。

鶴の湯名物「山の芋鍋」
これが郷土料理、鶴の湯名物「山の芋鍋」!
地元の山の芋を自家製みそで味つけていて、豚バラとの相性が良く非常においしい!
この料理をお目当てに宿泊される方も多いそうです。

バランスのいい朝食
翌日の朝食もしっかりとバランスのとれた食事が用意されています。
1宿2日の宿泊料金は?
建築、温泉、料理……すべてが揃った鶴の湯温泉は、究極の温泉旅館です。
「日本秘湯を守る会」のお宿でもあります。
そんな旅館の気になるお値段は……
本陣 | 12,250円 |
---|---|
1号館 | 12,800円 |
2、3号館 | 9,830円 |
新本陣・東本陣 | 14,450~19,950円 |
※消費税10%、入湯税込。冬季(11~4月)は1部屋につき1,100円の暖房費がかかります。
1万円台前半で泊まれるので、かなりリーズナブルではないでしょうか。
宿泊者限定で購入できる特典も!
宿泊者限定で、乳頭温泉郷7つのお宿(鶴の湯、妙乃湯、蟹場、大釜、孫六、黒湯、休暇村)の温泉めぐりができる「湯めぐり帖」を購入できます(1,800円)。
湯めぐり帖を使用すると乳頭温泉郷内を循環しているバスの乗車が無料、各施設の入浴が無料に!非常にお得!
入浴時には各施設でハンコを押してもらうことで、入湯した後の記念にもなります。
※湯めぐり帖の情報はこちら
四季折々、訪れる度に違う顔
今回はもっとも温泉が恋しくなる冬の様子をご紹介しましたが、大自然に囲まれている鶴の湯温泉では、夏は新緑、秋は紅葉など四季折々の情景が楽しめます。
湯めぐり帖は1年間有効なため、四季の変化を楽しみに乳頭温泉郷を巡るのもよいかもしれません。

夏季の「鶴の湯温泉」入口
そのほか、鶴の湯温泉別館「山の宿」や姉妹館である「駒ヶ岳温泉」も素敵です。
「山の宿」は宿泊しなければ入れない、いわゆる「のみ不可」の温泉です(源泉は白湯)。
また、駒ヶ岳温泉はこの界隈では珍しいアブラ臭のする泉質。見逃せません!

「駒ヶ岳温泉」正面
魅力がたくさん詰まった1度ならず、2度、3度訪れる楽しみがある温泉、
これが「乳頭温泉郷 鶴の湯温泉」!
6ヶ月先の予約を今すぐ確保!
乳頭温泉郷「鶴の湯温泉」の施設情報
施設名 | 乳頭温泉郷「鶴の湯温泉」 |
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住所 | 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50 |
電話番号 | 0187-46-2139 |
URL | http://www.tsurunoyu.com/ |
立寄り入浴 | 10時00分〜15時00分 |
定休日 | 通年営業 |
利用料金 | 600円 |
駐車場 | あり |
温泉 | 源泉かけ流し、混浴(バスタオル巻×)、女性専用露天あり |
その他 | 長靴あり、Wifiあり、自動販売機あり、ドライヤーあり(受付にて借りる)、Tシャツ・お土産販売あり |
安全で楽しい温泉旅行のために!温泉施設のコロナ対策ガイドライン
鶴の湯温泉では、定期的な消毒や従業員のマスク着用、換気などのコロナ対策を行っています。
来館の際は、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、発熱など体調不良時の利用を控えるなどのコロナ対策にご協力ください。
詳しくは公式ホームページをご覧ください。
温泉施設のコロナ対策ガイドラインを要約してみた【日本温泉協会】

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