24時間無料!群馬の秘湯「尻焼温泉」に行くなら絶対深夜な理由とは

「24時間365日営業で、しかも無料」な温泉が、温泉大国・群馬県にあるのをご存知ですか?

その名も「尻焼温泉」。じゃぶじゃぶ源泉かけ流し、絶景混浴露天風呂、24時間いつでも入り放題……。

そんなユートピアのような温泉に入ってきたので、一部始終をお届けします!

東京から下道5時間!無料の秘湯に行ってきた!

出典:Google Maps

尻焼温泉は群馬県北部の、草津温泉に近いところにあります。東京都心から200km弱と、高速道路を使えば3時間ほど、国道を走っても5時間あれば到着できます。

今回僕たちが東京都心を出発したのは夜10時半。朝出発するよりも渋滞がなく、気ままにドライブできるのでこの時間帯をチョイスしたのですが、それがのちに活きてくる旅行となりました!

渋川〜草津温泉に向かう道に入ると、観光客がよく通るためか意外とコンビニも充実。好きなタイミングで休憩できます。

何も見えねぇ……! 真っ暗闇の露天風呂

とにかく真っ暗です。転ばないよう要注意。

深夜3時30分。「尻焼温泉」へ着いたときに撮った写真がこちらです。な、何もわからねぇ……!

当たり前といえば当たり前ですが、山を登ると街灯はなくなり、あたりは真っ暗。気温も下がります。

スマホのライトを片手に、駐車場から温泉へ。街灯が灯っているので駐車場の看板はギリギリ確認できましたが、事前に地図を確認しておくことをおすすめします。

水着なしでOK!尻焼温泉の入浴マナー

尻焼温泉は水着の着用が義務ではありませんタオルで前を隠すなど、混浴の温泉に入るときの基本的なマナーを守れば大丈夫です。

付近に小屋があるので、そこで服を脱ぎ、いよいよ入浴……! (依然、真っ暗)

小屋を撮影したつもりです。

スマホのライトを頼りに露天風呂に入ろうとしたところで、先に入っていたおじさん二人組に声をかけられました。

「すべるから気をつけてね!」
「なんだよ、君たちライト持ってないのか。貸してあげるよ!」

スマホのライトでは光が足りずに戸惑っていたところ、おじさんがキャンプ用のランタンとLEDの超明るい懐中電灯を僕たちに貸してくれました。

ちゃんとした灯りがないと足元がよく見えませんでした。準備不足を反省するとともに、助けてくれたおじさん二人組に感謝の気持ちが湧きあがります。

お湯は39~40℃のまろやかな泉質

お湯に浸かってみると、適温でびっくり。体感温度は39~40℃くらいでした。まろやかな泉質で、長湯にもってこいです。川底からお湯が湧き出していて場所によって温度が変わるそうですが、全体的に適温でした。「尻焼」という名前を聞いて、お尻が焼けるように熱いところを避けながら入浴するものだと思い込んでいたので、安心しました。

岩には藻が生えているそうで、滑らないように慎重に歩きます。露天風呂は20m四方くらいあってかなり広いのですが、端っこでもすでに満足してしまいました。しかし、おじさんたちは僕たちに「冒険」を勧めます。

「向こうに行ってみなよ。深いところもあるよ! 泳いでもいいんだよ。」

僕は泳ぎが苦手なので足がつかないところがあったらどうしようと躊躇っていましたが、友達は早速奥へと向かっていきました。

「あっっっつ!」
「あ、ここ深い!」
「お、ここちょうどいい温度かも!」

と「冒険」の様子が伝えられてきます。ライトの灯かりと遠くの街灯のほかに灯かりはなく、山の奥からカエルや虫の鳴く声が聞こえます。こんな幻想的な温泉にはなかなか入れないのではないでしょうか。

気づけば空が白んできたので、おじさんたちにお礼を言ってライトを返しました。もやの向こうに木々が姿を現し、水墨画のような光景が広がっていました。

朝になってびっくり!絶景露天風呂の全貌

だんだんと空が明るくなって、露天風呂が姿を現しました。透明感のある透き通ったお湯で、まるで川の中に入っているよう、いや川の中の露天風呂だと実感しました。あらためて見てみると露天風呂は広くて、100人くらい入れそうです。

朝になってもう1人おじさんが来たので、色々と話をしました。

「晴れていれば星がきれいそうですね。」
「そうだね。冬の夜は最高だよ! 空気が澄んでいるから満天の星空だよ。」
「冬でも入れるんですか?」
「うん、何度も行ってる。いろいろな季節に来ているけど、冬はいいね。」

「真夏だと虫が出ますか?」
「そうだね、もう少しするとアブが出てくるよ。蚊も多いかな。」

僕たちが訪れたのは6月下旬だったので、暑くもなく、虫もいなく、ちょうどよかったです。

尻焼温泉に行くなら深夜がオススメのワケは?

常連のおじさんたちと話す中で、深夜に尻焼温泉に行って良かった! と強く感じました。深夜に行くメリットを3つ紹介します。

  1. 空いていて快適
  2. 涼しくて虫がいない
  3. 日の出が幻想的&運が良ければ星空も見られる

夏休みになると大勢の家族連れが訪れるそうですが、深夜・早朝ならば空いているでしょう。周囲の視線が気になって混浴に抵抗感があるという方にも、深夜をおすすめしたいです。

常連のおじさんに記念撮影をしてもらい、露天風呂を後にしました。ほかに人がいるときは写真を撮るのもはばかられますが、おじさんと僕たちのほかには誰もいなかったので写真も撮り放題です。

最初に服を着替えた小屋も温泉になっていました。露天風呂に比べて熱めで、冬の深夜に訪れたときもここで上がり湯をすれば湯冷めしなさそうだと思いました。

露天風呂のまわりに何軒か旅館が建っています。旅館に泊まれば、いろいろな時間帯の景色を楽しめるそうです。

僕たちはこのあと、草津温泉や道の駅などを訪れて観光を楽しんで東京に戻りました。早朝の草津温泉も空いていて、人気のない湯畑は衝撃的でした。やはり深夜に出かけるとどこも空いているので快適です。山の朝の風を浴びながら、気持ちよくドライブできました。

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