鳴子温泉郷「玉造荘」2022年12月で閉館|宿泊レポート【宮城県大崎市】

鳴子温泉郷・川渡温泉のお宿「玉造荘」は、2022年12月18日(日)をもって営業終了しました。

宮城県公立学校共済組合のお宿として多くの湯治客が足を運んできたほか、地元の人たちも結婚式や日帰り入浴など幅広く使ってきました。

源泉かけ流しの濃い温泉と、落ち着いた雰囲気が魅力の玉造荘を紹介します。

緑色のにごり湯は自家源泉100%かけ流し!日帰り入浴もOK

玉造荘の魅力は、なんといっても濃厚な緑色の硫黄泉。硫黄の香りとアブラ臭が混じり、じんわりと暖まって肌がスベスベした感じになります。

鳴子温泉郷の東端に位置する川渡温泉(かわたびおんせん)は、「脚気川渡」といわれるほど効能の高さが知られています。

熱いお湯が多い中で、玉造荘のお湯は湯口で45℃近く、湯舟では40~42℃とぬるめ。地元の方や常連さんが日帰り入浴に足を運んでいました。

日帰り入浴は11時から20時と、営業時間が長いのも便利なポイント。10時半から13時までに入館すると、追加料金なしで広間で休憩できます。

湯口を見ると、手前で少し貯めてから、段を伝ってお湯が落ちてくるようになっていました。お湯の温度を下げる工夫が感じられます。

手前の湯舟は、ボコボコと吹き出すのが心地よいジャグジー風呂です。

洗い場は広々としており、換気もバッチリ。緑色で統一されたイスや桶、タイルが川渡温泉らしさを感じさせます。

湯上がりの牛乳やお土産コーナー……レトロな雰囲気がたまらない

玉造荘は1968年に建てられ、改装工事も行われているため全体的にきれいですが、懐かしい雰囲気も残っています。

湯上がりの休憩コーナーには、牛乳の自動販売機とマッサージチェア。きれいに整備されたグラウンドゴルフのコースを眺めながら、ひと息つけます。

婦人服コーナーや……

お土産コーナーを物色してもよいでしょう。地元の方が手作りした「しそ巻」やジャムなどが人気です。

あっさりした夕食に、地元のどぶろくを合わせよう

朝食・夕食とも1階の「レストラン こけし」でいただきます。温泉で移動の疲れを癒やし、ひと休みしていたらいつの間にか晩ご飯の時間になっていました。

スタンダードな「花プラン」ですが、十分豪華! 彩りやバランスも考えられており、たくさんは食べられない方でも、いっぱい食べたい方でも満足できます。

お刺身は角が立つ新鮮さで、穴子の天ぷらは揚げたてサクサクで臭みゼロ。海から離れた鳴子温泉郷ですが、震災前は石巻や気仙沼など、沿岸からも多くの湯治客が訪れたそう。海山の幸に恵まれた宮城県らしいお食事です。

そんなお料理に合わせたいのが、地元・鳴子温泉郷でつくられたどぶろく!

鬼首の「鳴子ブルワリー」で作られた「鬼のどぶろく」は、スモーキーな熟成香が甘酸っぱさを包み込み、食事によく合います。300ccで770円とお手頃なので、ぜひお試しを。

炊き立てツヤツヤのひとめぼれ、もちもちの胡桃もちまで美味しく完食し、大満足で部屋に戻りました。

全室トイレ付きのお部屋は広くて快適

玉造荘のお部屋は、内装がリノベーションされており古さを感じません。きれいにお掃除されていて非常に快適です。

畳のお部屋にふかふかの座布団。着いてすぐ、ゴロンと寝転びたくなります。

玉造荘では、食事中に布団を敷いてくれるスタイルなので、部屋を広々と使えます。朝はチェックアウト後に布団を上げるので、朝食後のひと眠りも可能です。

旅館のよさみスペース(これ何て言うのでしょう!?)は広めで、洗面台もついています。ヒゲソリや櫛などは、フロントに言えばもらえるという案内がありました。

この日のお部屋はガーデンビュー。よく見るとグラウンドゴルフ場ですが、きれいに手入れされた芝が青々としていて、まるで庭園のようです。2,000坪もの庭園も、玉造荘の魅力です。

玉造荘の朝食はコーヒー飲み放題

秋晴れの空のもと、大きな窓から庭園を眺めながら朝ごはんをいただきました。

朝食はご飯が進む組み合わせ。日本一美味しいと言われる鳴子の水で炊いたご飯が美味しくて、おかわりしてしまいました。

さらにうれしいのは、コーヒーが飲み放題なこと。

朝からシャキッとで過ごせそうです。朝食用の牛乳を混ぜると、温度も下がって飲みやすくなります。

こういう旅先でしかやらないモーニングルーティンってありますよね。

お風呂は9時までなので、朝ごはんを食べ終えたらすぐに「入りおさめ」をしに行きました。

ここのお湯はあまり熱くないので、寝起きで身体が冷えているときでも刺激が少なく、入りやすいです。

お風呂の入口には、こけしの石塔が並ぶ枯山水が。鳴子らしい空間にほっこりします。

2022年12月18日で閉館する玉造荘、閉館後は未定とのこと。

館内には玉造荘の昔の写真がおさめられたアルバムや、宿泊客からのメッセージが書かれた模造紙がたくさん。

小さな子どもの書いた絵や、親子で通ったというコメントまで、このお宿が常連さんたちに愛されていたことを感じて、ほろりとしてしまいました。

玉造荘の閉館は、2022年7月に発表されました。中が改装されてきれいになっているとはいえ、築50年以上の建物は老朽化が進んでおり、更新が難しいと判断したのだそう。

※出典:玉造荘公式HP/参考:河北新報オンライン

閉館後、どのように活用されるかは決まっていません。団体で泊まれる宿泊施設や、結婚式もできるホール・宴会場など、地域にとっても旅行者にとってもなくてはならないお宿だっただけに、今後の活用が望まれます。

玉造荘の営業は2022年12月18日(日)をもって終了しました。

公立共済やすらぎの宿「玉造荘」の詳細情報【閉館】

施設名 公立共済やすらぎの宿「玉造荘」
住所 大崎市鳴子温泉川渡62
電話番号 0229-84-7330
日帰り入浴
営業時間
10時30分〜20時00分
*入浴は11時から。13時までの入場で広間休憩可能
※レストランこけしは7月からランチ・お弁当営業を休業中
利用料金 日帰り入浴:平日800円・土休日1,000円(小人は半額)
宿泊:11,100円~(平日限定のお手頃プラン有)
アクセス 東北自動車道「古川IC」から国道47号線経由で約40分
JR川渡温泉駅から無料送迎あり(徒歩25分)
URL https://www.kourituyasuragi.jp/naruko/

玉造荘の新型コロナウイルス感染症対策

玉造荘では、入館時の体調確認・検温・手指の消毒や、間隔の確保・こまめな消毒・従業員のマスク着用といった新型コロナウイルス感染症対策を行っています。

温泉施設の新型コロナウイルス感染症対策については、下の記事もご覧ください。

川渡温泉 玉造荘の泉質「硫黄泉」についてもっと詳しく

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