硫化水素・硫黄泉とは?温泉入浴中の危険|症状&応急処置

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硫黄泉のお湯には、温泉気分を盛り上げてくれる特有の臭いがありますよね。あの臭いがたまらなく好きという方もけっこう多いはず。とはいえ、あの臭いの正体が“硫化水素ガス”であることはあまり知られていません。硫化水素は、時と場合によって、命に関わるほどの中毒症状を引き起こす危険な物質。知らずに入浴するのはちょっと怖いですよね。硫化水素についての正しい情報を知って安全に硫黄泉のお湯を満喫しましょう!

1.硫化水素とは?


硫化水素は、硫黄と水素が結合してできる、温泉を語る上では欠かせない化合物質です。火山ガスと同じ成分で、引火性をもつ可燃性ガスでもあるのだとか。そもそも、温泉はお湯に含まれている成分の違いによって10種の泉質に分類されています。その10種類ある泉質の中のひとつ「硫黄泉」に硫化水素が含まれていることがあるんです。「硫黄泉」が持つ、腐った卵のような刺激性のある臭いの正体も、実は硫化水素なんですよ!

2.硫化水素の特徴


上記でも触れた通り、硫化水素は温泉特有の臭いを発する気体です。時には換気が必要になるほど刺激の強い臭いであるのが特徴で、吸い続けると命に関わるような中毒症状を引き起こします。硫化水素ガスは、時に自殺者にも使用されることがあるほどの有毒ガスなのです。

とはいえ、全ての入浴施設が環境省が定めた基準値のもとで安全対策をおこなっていますし、温泉気分を盛り上げてくれるあの卵臭がたまらないという温泉好きも多いため、硫化水素型の硫黄泉は、特に人気の高い泉質となっています。

3.硫化水素の危険性と中毒症状


硫化水素は呼吸器に影響を及ぼす物質であるため、中毒になるとまず呼吸困難に陥り、そして頭痛やめまいが起こります。さらに重篤な場合は痙攣や失神を起こし、最悪意識を失っているうちに死亡する場合もあるそうです。また、一命は取り留めたとしても気管や肺の粘膜が刺激されたことで気管支炎や肺水腫といった一時的な後遺症があることも。

このような症状を起こすのは、吸い込んだ硫化水素ガスの毒性が人の細胞にあるミトコンドリアにシトクロムCオキシダーゼ阻害を起こさせるのが原因として考えられます。つまりは、硫化水素には肺の細胞に影響を及ばして呼吸麻痺に陥らせる作用があるということ。

硫化水素型の硫黄泉に入浴する際は、そのような危険があることを頭の片隅に置いて、安全に楽しみたいですね。

4.硫化水素中毒の応急処置


万が一あなたやあなたの家族、友人が硫化水素中毒に陥ってしまったら、できるだけ急いで新鮮な空気が吸える場所に移動する必要があります。酸素スプレーなどがあればなお良いでしょう。

もし意識を失っているようであれば、心臓マッサージが有効です。呼吸が落ちついてきたら、皮膚に付着している硫化水素を拭き取ってあげてください。そのような処置をした上で、冷静に救急車の到着を待ちましょう。

5.硫化水素の環境省による温泉基準値


硫化水素が発生する可能性のある入浴施設は全国で6,400ヶ所以上存在します。その全てが環境省が定めた基準値にのっとり、様々な方法で安全対策をおこなっているため、事故もなく硫化水素型硫黄泉のお湯に安心してつかることができているんですね。

環境省が定めている基準値は、硫化水素が床から70センチの高さで10PPM、10センチの高さで20PPMというもの。空気よりも重い硫化水素は下に溜まりやすいためこのような値になっているのだとか。ちなみに、これは健康被害の出る数値よりもさらに低い値なんです。

確実に健康被害が出ないレベルで硫化水素の濃度が管理されているとはいえ、体調などによっては気分が悪くなることがあるのも事実。硫化水素型硫黄泉に限らず、温泉につかる際は常に万全の体調管理を心がけて、贅沢な時間を満喫してください。

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