温泉好きなら必ず知っておいて欲しい!正しい入浴の方法【完全保存版】

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皆さんは、温泉と聞いて何を思い浮かべますか?「気持ちいい」「リラックス」「健康」などなど、温泉が与えてくれる「良い効果」を思い浮かべた方が多いのではないでしょうか?人は昔から、そのような温泉がもつ良い効果をうまく活用しながら生活をしてきました。

しかしその反面、温泉は少し入り方を間違えれば「のぼせ」や「めまい」、時には命に関わるような恐ろしい事故につながりかねないものでもあります。そうならないためにも、正しい入浴の方法を身につけておく必要があるんですね。

また、正しい入浴の方法を身につければ、温泉の持つ良い効果をより多く得ることができるようにもなります。この記事では、入浴法について詳細にまとめられている『温泉ソムリエテキスト』を参考に、温泉好きには絶対に知っておいて欲しい正しい入浴の方法についてご紹介していきます。

目次

1. 温泉で心がけたい5つのこと!


温泉は、あなたの疲れを癒し心身ともにリラックスさせてくれます。その一方で、誤った入浴の仕方をすると、頭がぼーっとしてきたりめまいを起こしたりという残念な結果に。

それではせっかくの温泉が勿体無い!とういうことで、「温泉で心がけて欲しいこと」を5つご紹介していきます。

ちなみに今回ご紹介するのは、ご自宅のお風呂でも十分効果を得られるものばかり。ぜひ、温泉だけではなく、お近くの銭湯やご自宅のお風呂でも実践してみてください。

1-1. 入浴前にもしっかり水分補給を!

入浴中は沢山の汗をかきますよね。10分程度の入浴で約500mlもの水分が奪われると言われています。汗によって身体の水分が奪われると、次第に血液がドロドロした状態になり血流が悪くなってしまい「しびれ」や「体のだるさ」に繋がってしまうんです。そうならないために、必ず入浴前と入浴後には水分を摂るようにしてください。特に入浴前は、水分が身体に浸透する時間を計算してお湯に浸かる15〜30分前までの水分補給をおすすめします。

1-2. 絶対に実践してほしい!入浴前のかけ湯

温泉につかる前にお湯を風呂桶などで汲み身体にかけて清める行為、通称「かけ湯」を皆さんも行われていると思います。この「かけ湯」という行為は、身体の汚れを落としてから湯船につかるマナーであるという他に、冷えた体をお湯に慣らすという大切な目的を持っているんです。

急に熱いお湯に飛びこむと、温度や水圧の変化によって心臓や血管に大きな負担がかかってしまうんですね。とても大切なことですので、ぜひこれからは「かけ湯」で十分に体を慣らしてからお湯につかるようにしてください。

ただし、早く身体をお湯に慣らしたいからといって、いきなり肩からお湯をかぶるような「かけ湯」は禁物ですよ!心臓への負担を最小限にするため、足先などの心臓からの距離が離れている部分から徐々にお湯をかけて身体を慣らしていってください。湯船につかる前には必ず「かけ湯」!身体をいたわって、徐々に慣らしていくのが肝心ですよ。

1-3. 頭にタオルを乗せてほしい理由!

温泉や銭湯に行くと、頭の上にタオルを乗せて温泉につかっている方をよく見かけますよね。実は、あれも温泉で体調を崩さないための工夫のひとつなんです!冷たい水にひたしたタオルを頭に乗せることで、頭部に熱が蓄積することで起こる「のぼせ」を防ぐことができます。

また、頭に乗せたタオルは頭部を温めるという逆の目的で使うこともできます。その効果を発揮してくれのが冬の露天風呂です。湯船につけることのできない頭部だけが冬の冷たい空気にさらされることで、脳の血管が異常に収縮し、ダメージを受けてしまうという自体が稀に起こるのです。その予防のために熱いお湯にひたしたタオルを頭の上に乗せるんですね。頭の上に乗せたタオルをうまく使えば、安全に気持ちよく温泉へつかっていられるんですよ。

1-4. 長湯は禁物!分割浴の勧め

せっかく温泉に来たのだから、できるだけ長い時間お湯につかりたいと考える方も多いのではないでしょうか?でも実はそれ、危険を招く可能性のある行為なんです。

温泉につかり身体の内部の温度が1℃上昇すると、脳波の状態がα波優位になりやすく高いリラックス効果が期待できると言われています。しかし、さらにお湯につかり続け身体の内部の温度が2℃以上、上昇すると血管を詰まらせる血栓ができやすくなってしまうのだとか。温泉へ長時間つかり続けるのは、非常に危険な状態を招く可能性のある行為なんですね。

普通は、身体の内部の温度が2℃以上あがると不快感が現れはじめます。気持ちいいと感じる間だけ入浴するのがベストなんですよ!

温泉による高いリラックス効果を得るために、効率よく身体の内部の温度が1℃上昇した状態にする方法があります。それは「分割浴」と呼ばれる方法。「分割浴」は身体の芯を早く温めてくれ、さらに身体を湯冷めしにくい状態にしてくれる入浴の方法なんです。具体的な実践の仕方をご紹介します。まず、「かけ湯」をしたあと3分を目安にお湯につかり、その後3〜5分程度の休憩時間を挟んで、また3分を目安にお湯につかるというのを繰り返し、計3回お湯につかれば、身体の内部の温度が1℃上昇した状態になっているはずです。どうですか?「分割浴」と聞くとなんだか難しそうに感じるかもしれませんが、そのやり方はすごく簡単ですよね!

上記では、42℃程度の熱めのお湯での「分割浴」(3分入浴→休憩→3分入浴→休憩→3分入浴)をご紹介しましたが、40℃程度のぬるめのお湯につかる場合は、最初の入浴が5分、2回目が8分、そして3回目が3分程度を目安に入浴すると効果的ですよ。

■分割浴の入浴時間

・熱いお湯(42℃)の場合

1. 「かけ湯」をする
2. 全身浴 3分間(1回目)
3. 5分程度の休憩
4. 全身浴 3分間(2回目)
5. 5分程度の休憩
6. 全身浴 3分間(3回目)

・ぬるめのお湯(37℃〜40℃)の場合

1. 「かけ湯」をする
2. 全身浴 5分間(身体を慣らす)
3. 5分程度の休憩
4. 全身浴 8分間(じっくりつかる)
5. 5分程度の休憩
6. 全身浴 3分間(軽く仕上げる)

ちなみに、「分割浴」は心臓に負担をかけずに血流を良くする方法としても有名です。心臓に不安を抱えている方にもおすすめの入浴法なんですよ!ぜひこれからは「分割浴」を意識して入浴してみてください。

1-5. 疲労回復にも効果抜群!温冷交互浴

「温冷交互浴」はひざ下をお湯に3分間つけ、その後冷水に1分間つけるという入浴の方法です。温める冷やすを交互に繰り返すという点では「分割浴」と似ていますが、大きな違いとして「分割浴」は全身を温めそして冷ますという入浴法であるのに比べ、「温冷交互浴」はひざから下だけを温めたり水で冷やしたりすることで効果が現れる入浴法なんです。

また、心臓に負担をかけずに効率よく身体の内部の温度を上昇させる「分割浴」に対して、「温冷交互浴」の目的は毛細血管を拡張させ老廃物や乳酸の排出を促すことにあるため、その目的も大きく異なっているんですよ!

ひざ下などの末端部分を交互に温めたり冷やしたりすることで効果が現れる「温冷交互浴」ですが、湯船に首までつかって温まり、その後水風呂などにひざ下をつけて冷やすという方法でも同じ効果を得ることができます。ちなみに、「温める→冷やす→温める→」という工程よりも、「冷やす→温める→冷やす→」という工程で行った方がより高い効果を期待できるそうです。慣れてくれば、冷やすで初めて、冷やすで終わるという工程に挑戦して見てください。

「温冷交互浴」の特徴は、「のぼせ」や「めまい」というリスクを回避して効率的に老廃物の排出ができるところにあります。温泉で内側からキレイになりたいという方はぜひこの方法を実践して高いデトックスを体感してみてください。

1-6. 入浴の流れまとめ

温泉ソムリエ家元である遠間和宏さん監修の『温泉ソムリエテキスト』より「完全入浴法」をご紹介します!こちらは、「のぼせ」や「めまい」というリスクを回避しながら楽しく温泉を楽しむために必ず守って欲しい入浴の流れ。ご自身が実践してきた入浴法と照らし合わせながらご覧ください。

■完全入浴法

1. 入浴15〜30分前までに水分補給。そして、ゆっくり休む。

2. 心臓の遠くから順に十分なかけ湯。
他の方にお湯がかからないように、しゃがんだ低い姿勢で。

3. 「前と後ろ」など体の汚れている部分を洗う(衛生面、マナーとして)。

4. 再度「かけ湯」で体を温める。
浴槽内で顔を洗うのは衛生上よくないので、顔を洗うなら桶でお湯を汲んで浴槽の外で。

5. 膝下に水をかける(温冷交互欲)。
温冷交互浴に慣れている方は「冷で始まり、冷で終わる」ですが、温冷交互浴に慣れていなければ、まず入浴して体を温めましょう。

6. 入浴1回目(露天風呂よりはまず内風呂へ)
徐々に水圧をかけるように、「ゆっくり」と温泉に浸かっていき、半身浴を経て全身浴や浮遊浴をしましょう。42℃の熱めのお風呂ならまず「3分」。40℃ほどのぬるめのお風呂ならまず「5分」。

7. 休憩1
・頭を洗う(休憩時間が長くなると湯冷めを起こすことがあるので、まずは頭だけ洗います)
・膝下に水をかける(温冷交互浴)

8. 入浴2回目(露天風呂があるなら、露天風呂へ)
42℃の熱めのお風呂なら「3分」。40℃ほどのぬるめのお風呂なら「8分」。

9. 休憩2
・体を洗う。
温泉、特に「美人の湯」の場合は角質を落とす力があるので、体を洗う際はタオルでゴシゴシこすらず、手で石鹸やボディソープを泡立てて、体は手で洗いましょう。肌がツルツルになる「美人の湯」は必ずしも体を洗わなくとも、石鹸やボディソープを使ったような効果があります。
・「酸性泉」は肌への刺激が強いので、肌の角質は残しておいた方がいいですから、石鹸やボディソープは使わなくてもいいです。
・膝下に水をかける(温冷交互浴)

10. 入浴3回目
42℃の熱めのお風呂なら「3分」。40℃ほどのぬるめのお風呂なも「3分」。
お風呂から上がる際は、一気に立ち上がらず、「半身浴」「足浴」を経て、ゆっくり立ち上がり、徐々に水圧から体を解放していきましょう。

11. 新鮮なお湯で「上がり湯」
「湯口」から出ている鮮度がよくきれいな温泉を事前に桶で汲んでおき、その温泉を体にかけましょう。もっとも鮮度のよい温泉で体を包みます。
体を拭くタオルも、桶の中に入れておけば、体を拭く際に、適度の体に温泉の成分が残せます。
なお、「酸性泉」は刺激が強いので、シャワー等で体についた温泉を流しましょう。
硫黄泉等他の刺激の強い温泉も、体質によってはシャワー等で流しましょう。

12. 浴室で体を拭く
脱衣場を濡らさないため、また湯冷めしないために体は浴室で拭いてから脱衣場に戻りましょう。温泉の成分を適度に体に残すなら、バスタオルは不要です。

13. 肌が乾燥しやすい方は、入浴後10分以内に保湿剤を塗る

14. 水分補給

15. 横になって休む
時間があるなら、入浴後は15〜30分ほど横になって休むのが理想的です。
特に、食事は、入浴後、しばらく時間が経ってからとりましょう。
「心」がリラックスするのは入浴後15〜30分後なので、入浴後はゆったりと過ごしましょう。

出典:遠間和宏編(2016)『温泉ソムリエテキスト』p.93〜p.96

2. 温度の違いで効果も変わる!とっても大事な温泉の温度


皆さんは温泉に行かれる際、事前にお湯の温度を確認されていますか?「全く気にしていない」という方が多いのではないでしょうか?実は、温度によって得られる効果が全く変わってくるんです。それだけ重要な要素であるにも関わらず、その重要性についてはあまり知られていないというのが現状なんですね。ここからは、そんな温泉の温度について詳しく解説していきます。

温泉の温度を高温タイプとぬるま湯タイプの2種類に分けて大まかにその特徴を解説すれば、「高温タイプ」には交感神経を刺激して身体を緊張・興奮させ「活力」を与えてくれる作用があり、「ぬるま湯タイプ」には副交感神経を刺激して精神を落ち着かせ心身ともに「リラックス」させてくれる作用があるんです。簡単な解説ですが、これだけ見ても温度によって正反対の効果を示すことがわかりますよね。

上記では、大きく二つのタイプに分けて解説しましたが、実際にはお湯の温度をさらに細かく分けてその特徴を見ていくことができます。

2-1. 草津の時間湯でお馴染み「超高温浴」(45℃〜48℃)

かなり熱いと感じる温度のお湯に短時間入浴する入浴法です。草津温泉の「時間湯」などがこれに当たり、身体の歪みを補正してくれる「非特異的変調効果」を得ることができるそうですよ!

2-2. 日本人が大好きな「高温浴」(42℃〜45℃)

身体に刺激を与えるお湯の温度です。交感神経を刺激して神経を高ぶらせ、脈拍を早くさせます。日本人が好む温泉の温度がまさにこれですね!特に50歳以上の方の多くが、この温度のお湯を気持ちいいと感じるのだとか。ただし、交感神経を刺激すると血圧も上がるので、高血圧症の方があまり熱いお湯に浸かるのは避けた方がいいかもしれませんね。ちなみに、日本の若者や欧米人はもう少し低い温度のお湯を好む傾向にあるそうですよ。

2-3. 最も馴染みのある温度!「温浴」(39℃〜42℃)

多くの方が普段ご家庭で入浴する際の温度です。特に40℃以下のお湯には、副交感神経を刺激して精神を落ち着かせ、リラックスさせてくれる効果があると言われています。ただし、日本人が気持ちいいと感じるのはやはり温度が高めのお湯、ご家庭では41℃〜42℃くらいのお湯なんですね。

リラックス効果のある40℃以下のお湯を選ぶか、つかっている時に気持ちよさを感じる41℃〜42℃くらいのお湯を選ぶか、悩ましいところです。その日の気分に応じてお湯の温度を調整してみるのもよさそうですね!

39℃〜42℃のお湯への入浴、つまり「温浴」は十分に身体を温めてくれる効果を持つ入浴法です。しかし、同じ温度のお湯であったとしてもご家庭で普段入浴されているお湯と比べて、温泉の方がより身体を温めてくれるということが実証されています。温泉の方がより身体を温めてくれるなんて言うまでもないことかもしれませんが、みんなが温泉を好きな理由はそんなところにもありそうですね!

2-4. 高いリラックス効果!「微温浴」(37℃〜39℃)

副交感神経を刺激して精神を落ち着かせ、リラックスさせてくれる効果のあるお湯の温度です。心を穏やかにするための入浴法として用いられることもあるそうですよ。精神を落ち着けると同時に、脈拍数を下げ血圧を低下させる効果もあります。日本の若者や欧米人が好むのもこの温度ですね。

ちなみに夏は38℃、冬は40℃のお湯につかることで最も高いリラックス効果が期待できますよ!日頃のストレスなどで精神的に疲れていると感じていらっしゃる方は、ぜひこの入浴法を試してみてください。

2-5. 心臓に負担をかけずに入浴!「不感温浴」(34℃〜37℃)

体温と同じくらいの温度で、熱いとも冷たいとも感じないお湯への入浴法を、「不感温浴」といいます。主に、精神障害や高血圧症、不眠症などの改善に用いられることが多いようですね。30分〜2時間程度の長い時間をかけて入浴することで、高い鎮静作用が期待でき心身ともにリラックスするのだとか。

入浴によるエネルギーの消費量が少ない特徴もある他、脈拍や血圧などにほとんど変化が起こらない入浴法であるため心臓に不安を抱えている方にもおすすめです。精神的な疲れを強く感じている方や、なぜかあまり眠れないという方もぜひ試してみてください。できれば、体温と同じ温度、35℃〜36℃くらいのお湯が望ましいですね!

2-6. プールと同じ温度の「冷温浴」(25℃〜34℃)

一般的なプールの温度です。遊泳などに適した泉温だと言えますね。心拍数が減少し、血圧が入浴時と入浴後に上昇する特徴があるのだとか。

2-7. 身体の芯から冷える「冷水浴」(25℃以下)

大分県の「寒の地獄温泉」などで有名な「冷鉱泉浴」がこの入浴法に当たります。13℃〜14℃の冷泉に5〜20分入浴することで自律神経の乱れを整えてくれる他、精神障害や皮膚病に効果があるそうですよ。「高温浴」や「温浴」と併用して「温冷交互浴」に用いられることもあります。ちなみに、13℃〜14℃の泉温は肌に刺さるくらいの冷たさなので「冷鉱泉浴」をすれば身体の芯から冷えてきます。そのため、覚悟が必要な入浴方であるともいえます。25℃以下ということであれば海水浴と同じくらいの水温なんですけどね。

お湯の温度と入浴時間

お湯の温度によって違った効果が得られることを解説してきましたが、忘れてはならないのが温度の違いによって適切な入浴時間が変わるということ。以下に、お湯の温度と適切な入浴時間をまとめてみました。ぜひこれからは適切な入浴時間を守って、身体の状態に応じた温度での入浴に調整してみてくださいね!

ちなみに、37℃以上のお湯への入浴は「のぼせ」や「めまい」を起こすリスクを伴うだけではなく心臓に負荷がかかるため、できるでけ「分割浴」を心がけてください。

・「超高温浴」/45℃〜48℃:「かけ湯」で全身を十分に慣れさせた後、3分間
・「高温浴」/42℃〜45℃:5分間
・「温浴」/39℃〜42℃:10〜15分間
・「微温浴」/37℃〜39℃:15〜20分間
・「不感温浴」/34℃〜37℃:30分〜2時間
・「冷温浴」/25℃〜34℃:15〜20分間
・「冷水浴」/25℃以下:※2分〜20分間
※冷水浴:慣れないうちは短時間入浴で、悪寒や震えを感じたらすぐに上がること

3. いろいろな入浴スタイルで温泉を楽しみたい!


ここまで「入浴の際に気をつけること」と「お湯の温度による効果の違い」について解説してきました。ここからは、入浴の仕方、「入浴スタイル」について解説していきます。

「半身浴」や「足湯」など様々な入浴スタイルで楽しめるのも温泉の魅力のひとつですよね!皆さんもこれまでに色々な入浴スタイルで温泉を楽しんでこられたことと思います。でも、「半身浴」や「寝湯」、「足湯」それぞれの具体的なメリットやデメリットについてご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか?ここからは、知っているようで意外と知らない「入浴スタイル」の特徴について解説していきます。

3-1. 全身浴

「全身浴」は、肩までお湯につかる最も一般的な入浴スタイルです。全身に水圧を受けるため下半身の血液を押し上げてくれる効果やマッサージ効果、むくみ改善効果、デトックス効果が期待できます。また、入浴による消費カロリーが最も多い入浴スタイルなのでダイエット効果もあるんですよ!

ほぼ全身をお湯につけるので、温泉の成分をより多く身体に浸透させることができる入浴スタイルであるとも言えますね!ただし、心臓に負担がかかりやすく、「のぼせ」や「めまい」などのリスクが高い入浴スタイルでもあるので「分割浴」で入浴されることをおすすめします。身体への負担を最小限に抑えながら「全身浴」を楽しんでください!

3-2. 半身浴

下半身をお湯につけ上半身をお湯からだすお馴染みの入浴スタイルです。みぞおちから下をお湯につける方が多い様ですが、おへそから胸にかけて自分の好みの位置から下をつけて入浴するスタイルを「半身浴」と呼びます。

心臓に負担をかけずに全身を温められるのが「半身浴」最大の特徴です。心臓に不安を抱えてらっしゃる方におすすめの入浴スタイルということですね!

上半身をお湯から出して入浴するスタイルなので、全身が温まらないのではと不安に思われる方もいらっしゃる様ですが、血液の循環が活発になるため下半身だけの入浴でも十分に身体を温めてくれます。もし、どうしても不安な方は、お湯にひたしたタオルを肩に乗せなどされると上半身の冷えが気にならなくなりますよ!

関連記事はこちら

入浴法の理想形!「半身浴」の効果と正しい入浴の方法

3-3. 寝浴

「寝浴」とは文字通り、浅いお風呂に全身を伸ばし寝ているような状態で首から下をお湯にひたす入浴スタイルです。寝そべりながらお湯につかることができるので、気持ちがいいんですよね!一般的な浴槽の構造では実践が難しいので、枕の様に頭が乗せられる構造になっていて底の浅い「寝浴」専用の湯殿で行ってください。かなりの数の温泉や入浴施設で「寝浴」専用の湯殿が用意されているので、簡単に見つけることができると思います。

「全身浴」に比べて、上半身が浅いところにあるため強い水圧を受けず、心臓への負担が少ないことが「寝浴」の特徴です。全身をお湯にひたしながら、心臓への負担を抑えられるのがポイントなんですね。ただ、「全身浴」と比べると下半身にかかる水圧が小さく、「むくみ」の改善効果は減少します。

3-4. 浮遊浴

「浮遊浴」は、一般的な深さの湯殿で行う「寝浴」のような入浴スタイルです。具体的な体制を解説すると、頭を湯殿のふちに乗せお尻を浮かせて膝を曲げ足の裏を湯殿の底に付けることによって、頭から膝まではピンと伸びている体制ということになります。湯殿のふちに乗せた頭と足の裏で身体を支え寝そべっている様な体制をキープした状態が「浮遊浴」ということですね。うまくイメージしていただけましたか?

「寝浴」のように心臓への負担が少ないのが特徴です。さらに、下半身はしっかり水圧を受けるので、「全身浴」と同等の「むくみ」改善効果を得ることもできます。全身をしっかりお湯につけられるのに、「全身浴」と比べて心臓への負担を軽減できるという点で、理想的な入浴スタイルということができますね!また、「寝浴」のように専用の湯殿を必要としないのも嬉しいポイントです。

3-5. 足浴

「足浴」は、膝から下だけをお湯につけるお馴染みの入浴スタイルです。日本各地のいたるところに足湯専用の施設があるので気軽に楽しむことができますね!身体の一部だけをお湯につける「部分浴」の一種で、「半身浴」や「寝浴」よりもさらに身体への負担が少ないのが特徴です。足だけをつけるため、服を着たまま身体を温めることができるのも魅力のひとつですよね!

「足浴」をおこなう際は、ぜひ「温冷交互浴」をお試しください。足裏にたまる老廃物や乳酸の排出を促し身体の内側からキレイになれます!「温冷交互浴」の具体的な方法は、膝から下をお湯に3分間ひたし、その後冷水で1分間冷やすというもの。それを3〜5回繰り返すことによって、高いデトックス効果を得ることができるんです!

ちなみに、「温冷交互浴」の解説でも触れましたが、「温冷交互浴」は「温める→冷やす→温める→」という工程よりも「冷やす→温める→冷やす→」という工程で行った方がより高い効果を得ることができるので、慣れている方には後者の方法がおすすめです。

3-6. 手浴

「手浴」も「足浴」と同じ「部分浴」の一種です。42℃程度のお湯を溜めたタライに、手や腕を5分ほどひたすのが一般的な方法とされています。血行を良くする作用があるため、筋肉疲労や冷え性の改善効果が期待できますよ。「足浴」同様、「手浴」をおこなうことによって全身がポカポカと温まってくるのを体感できるはずです!

4. 入浴効果を引き出す方法5選


角質を落として美肌してくれる効果や、毛細血管を広げて血行を良くしてくれる効果など温泉は様々な良い効果をもたらしてくれます。それらの効果は、多くの場合温泉の成分の働きによって得られるものなんです。ということは、ただ温泉に入るだけでその効果を得ることができるんですね。

ただ、実はあなたが欲しいと思う効果をより良く得るための入浴の仕方を実践すれば、さらに高い効果が期待できるということをご存知ですか?できることなら、誰だってより高い温泉の効果を手に入れたいですよね?ということでここからは、より高い効果を得るための入浴の仕方について解説していきます。

4-1.美人になる!美肌入浴の方法

温泉には、美肌効果を持つ泉質のものがあるということを、一度は耳にされたことがありますよね?「美人の湯」や「美肌の湯」と呼ばれることが多いようです。例えば、炭酸水素塩泉やph7.5以上のアルカリ性の泉質には天然のクレンジング効果があり、硫酸塩泉には肌の新陳代謝を高める効果が、硫黄泉にはシミを予防する効果がそれぞれあると言われているんですよ。そんな「美肌の湯」効果をさらに引き出す入浴の方法をご紹介していきます。

温泉の成分が、余分な角質や毛穴の汚れをおとしやすい状態にしてくれるため、身体を洗うのは入浴後が理想的です。ただしマナーとしてお湯につかる前には、必ず「かけ湯」をして身体の汚れを落としましょう!また、温泉の成分よって汚れがおちやすい状態になっているので、身体は手洗いで全く問題ありません。むしろ、入浴後は既に温泉の刺激を受けているため、タオルなどで身体をごしごしこするのは避けた方がいいですよ!

お湯から上がる際は、温泉の湯口からタライなどでお湯をくみ、それを「あがり湯」として身体を流してください温泉が身体に膜をつくり保湿してくれます。また、風呂上がりの保湿ケアはなるべく早くするのがおすすめです。湯上り後身体の潤いはどんどん逃げていきます。できれば10分以内に保湿クリームなどで保湿してください!

■「美肌の湯」効果をさらに引き出す入浴の方法

・お湯につかってから身体を洗う
・手で身体を洗う
・「あがり湯」には新鮮な温泉を使う
・入浴直後に保湿ケアする

いかがですか?ひと手間かけることで、より高い美肌効果が期待できるんですね!これを参考に、ぜひ皆さんもより美しいお肌を手に入れてください。

4-2. 痩せる!ダイエット入浴の方法

多くのカロリーが消費できる入浴法として有名な「高温反復入浴」をご存知ですか?42℃〜43℃のお湯に3分間つかり5分間休憩というのを3回繰り返すというものです。一度の入浴で約300~400kcalを消費できるのだとか通常の入浴時間で実践できるので、これを意識して普段の入浴をすることでダイエット効果を得ることができますよ!ただし、運動後に入浴するのは逆効果。運動によって活発になった脂肪分解酵素の活性が下がってしまうので注意が必要です。

■高温反復入浴の方法(お湯の温度42℃〜43℃)

1. 「かけ湯」をする
2. 全身浴 3分間(1回目)
3. 頭or身体を洗う(5分間の休憩)
4. 全身浴 3分間(2回目)
5. 頭or身体を洗う(5分間の休憩)
6. 全身浴 5分間(3回目)

いかがですか?簡単ですよね。初めから読んでいただいている方は、もうお気づきかもしれませんが、この「高温反復入浴」はつまり上記で解説した「分割浴」なんです。血管や心臓に負担をかけない入浴の方法としてご紹介しましたが、42℃以上の温度が高いお湯で実践することで多くのカロリーが消費できる入浴法にもなるんですね!

ダイエット効果の期待できる入浴の方法をもうひとつご紹介します。褐色脂肪細胞を活性化させることで太りにくい体質をつくる「褐色脂肪細胞活性化入浴法」です。褐色脂肪細胞は、エネルギーを熱に変えて体温を保とうとしてくれる細胞です。この細胞がきちんと働いていると脂肪が燃焼されやすくなるんです。つまり、やせやすい体質になるということですね。

身体の中で首の後ろ・肩甲骨・わきの下・心臓付近・腎臓の5箇所にしかない褐色脂肪細胞を「温冷交互浴」で活性化させるのが「褐色脂肪細胞活性化入浴法」です。

■褐色脂肪細胞活性化入浴法

1. 「かけ湯」をする
2. 全身浴 3分間(1回目)
3. 水シャワー(20℃)とお湯シャワー(42℃)を30秒ずつ交互に5回かけ※ 頭or身体を洗う(5分程度)
※首からみぞおちにかけて胸側と背中側の両面にかける
4. 入浴 3分間(2回目)
5. 頭or身体を洗う(5分間の休憩)
6. 最後にゆっくり身体を温める 5分間(3回目)

「褐色脂肪細胞活性化入浴法」もそんなに難しくはありませんよね。水とお湯を交互に出しながら、5回ずつ胸側と背中側にかけるのがポイントです。その日の気分や体調に応じて「高温反復入浴」や「褐色脂肪細胞活性化入浴法」を実践し、ぜひ太りにくい身体を手に入れてください。

4-3. ぐっすり眠れる!快眠入浴の方法

快眠を手に入れるために有効な方法として、副交感神経を刺激し精神を落ち着かせることが挙げられます。この記事でもいくつか取り上げてきましたが、改めて副交感神経を刺激する入浴の方法をふたつご紹介します。

・「足浴」や「手浴」(特に「足浴」が有効)
・連続20分間の「微温浴」(湯温:37℃〜39℃)

具体的な入浴方法や効果は、上記でご紹介した部分をご覧ください。このふたつの入浴方を実践することで副交感神経が刺激され心身ともにリラックスすることができますよ!

また、この記事ではお湯の温度と入浴時間について触れてきました。実は、リラックスした状態を得やすい温度と入浴時間の関係というのが存在するんです。以下にまとめてみますね。

・42℃のお湯で5~6分間の半身浴
・41℃のお湯に10分間の連続入浴
・40℃のお湯に15分間の連続入浴(これが最もリラックスした状態を得やすい)
・39℃のお湯に20分間の連続入浴

上記のような、お湯の温度に応じた適切な入浴時間を守ることで精神をリラックスさせることができると言われています。最近、よく眠れないと感じていらっしゃる方は、ぜひ上記を参考に快眠生活の実現に挑戦してみてください!

4-4. 冷たい手足を改善!冷え性改善入浴の方法

冷え性の改善には「温冷交互浴」が有効です。上記でご紹介した、ひざ下を温めたり冷やしたりを交互に繰り返す入浴の方法ですね!「足浴」や「手浴」などの「部分浴」が有効ですが、湯船に首までつかって温まり、その後水風呂などにひざ下をつけて冷やすという方法でも同じ効果を得ることができます。

■冷え性を改善する入浴法

ひざ下にお湯と水を交互に当てる「温冷交互浴」!

ちなみに、最後に冷やすことでより抹消血管が広がるため、より高い血行促進効果が期待できるそうですよ!辛い冷え性でお悩みの方は、普段の入浴中に冷たいシャワーなどでひざから下を冷やす工程を取り入れて、「温冷交互浴」による血行促進を実践してみてください!

4-5. 残ったアルコールをスッキリ排出!二日酔い改善入浴の方法

「熱いお風呂につかれば二日酔いる」という話を聞いたことはありますか?これは大きな間違いです。そもそも二日酔いの朝は、アルコールの利尿作用によって体内の水分が排出された「血液ドロドロ状態」であることが多いのです。そこへきて、熱いお湯につかり大量の汗を流すと脱水症状を起こしてしまいます。さらに、肝臓の水分も不足することになり肝機能が低下するため、よりアルコールを分解しにくくなるという最悪な状態へと陥ってしまうのです。

二日酔いの改善に効果があるのは「熱いお湯」ではなく「ぬるいお湯」。しっかり水分補給をしながら「ぬるいお湯」につかり内臓を温めることで、肝機能が活発になりアルコール分解と利尿の働きが活発になると言われています。

■二日酔い改善入浴の方法

1. 入浴前や入浴中にしっかりと水分補給をします。
2. ぬるいお湯(38℃〜40℃)にじっくりとつかります。
3. 入浴後もしっかりと水分補給してください。

二日酔いを改善するためには「熱いお湯」ではなく「ぬるいお湯」につかる。とても大切なことなので、ぜひ覚えておいてください。ただ、二日酔いの症状がひどい場合は入浴自体が危険なこともありますので、ご自身の状態をみながら適切な判断が必要になります。お湯にはつからず横になっていた方が良い場合もあるんです!

参考文献:遠間和宏編(2016)『温泉ソムリエテキスト』

正しい入浴法で温泉がもっと好きになる!

温泉イメージ
温泉の正しい入り方で、より高い効果を得ることができることお分かりいただけたはず。正しい入浴方法を身につければ、その分カラダへの効果もアップ! きっと、さらに温泉のことが好きになりますよ。

温泉の正しい知識をもっと知る!