栃木県日光市にある「戦場ヶ原」は、標高1,390〜1,400メートルに位置する高層湿原です。高層湿原ならではの植物がつくるこの土地の景観を楽しむために、多くの方がハイキングに訪れます。
また、夜には驚くほどたくさんの星を眺めることができ、関東で最も星が綺麗に見える場所としても有名です。
”春には新緑、秋には紅葉、冬には雪原” と季節ごとに美しくその姿を変える「戦場ヶ原」の魅力についてご紹介します。
戦場ヶ原とは
まずは「戦場ヶ原」という地名の由来についてご紹介。
名前の由来となった神話
栃木県・奥日光にある「戦場ヶ原」という湿地帯を皆さんご存知でしょうか?
初めて聞いたという方のなかには「戦場ヶ原」という名前に少し怖い印象を受ける方がいらっしゃるかもしれませんが、この地で大きな合戦がおこなわれたという記録は残っていません。
では、なぜ「戦場」という名前がつけられたのでしょう? この名前の由来は、神話の世界にありました。
かつて、神々がこの地で戦ったという言い伝えが残されています。なんでも、日光の「中禅寺湖」北岸にある男体山の神「二荒神」と、群馬県のほぼ中央に位置する赤城山の神「赤城神」が、美しい「中禅寺湖」を取り合って激しくぶつかったそう。
男体山の神が大蛇に、赤城山の神が大ムカデに姿を変えて激しく戦ったと、神話の中では伝えられています。その戦いの地となったことから「戦場ヶ原」という名前がつけられたわけです。
ちなみに、神様同士の戦いの結末は、男体山の神が自身の子孫であり弓の名手でもあった猿麻呂に、大ムカデの目を射抜かせ勝利したのだとか。現在も「中禅寺湖」は男体山のすぐ近くで美しい姿のまま残っています。
生息している動物と植物
「戦場ヶ原」には、高原湿地帯特有の植物とたくさんの動物たちが生息しています。野鳥の種類も多く、バードウォッチングを楽しむ方にも人気のスポット。
運が良ければ、シカやキツネのほか、リス、ウサギなどを見かけることができます! ただ、クマが出没する地帯でもあるため用心が必要です。鈴などを携帯して人間の存在を知らせながら散策するようにしてください。
戦場ヶ原の春夏秋冬と星空
季節によってまったく違った姿を見せる「戦場ヶ原」。四季折々の見所をご紹介します。
ハイキングに最適! 戦場ヶ原の春
春の「戦場ヶ原」では、芽吹き始めた草花を楽しむことができます。冬の永い眠りから目覚め、一斉に芽吹き始めた草花を眺めながら散策すれば、日常の忙しさに疲れた心もリフレッシュできるはず!
見応えある自然の景観とちょうどよい気候のなか、春の「戦場ヶ原」は、ハイキングに最も適した季節です。
風が心地よい戦場ヶ原の夏
夏の「戦場ヶ原」は、青々とした草木に囲まれ一年の内で最も活気に溢れています。元気に育った緑を眺めながら、清々しい気持ちで散策へ!
市街地に比べ気温が上がりにくい土地であるため、心地よい風を感じることができるでしょう。夏の「戦場ヶ原」で、活気溢れる大自然に触れてみてください。
草が紅葉する戦場ヶ原の秋
秋には、地面一帯に生えた草が一斉に色づきます。黄色や赤に色づいた草に湿原が染められた景色は圧巻! ちなみに、草が色づくこの現象のことを草紅葉と呼び、「戦場ヶ原」では、9月下旬から10月上旬にかけて楽しむことができます。一生に一度は見て欲しい絶景のひとつです!
雪に覆われる戦場ヶ原の冬
冬の「戦場ヶ原」は、一面雪に覆われます。地面を覆い尽くすように積もった雪の中を、冬枯れの木々が立ち並ぶ幻想的な景色!
「戦場ヶ原」の付近にある「三本松茶屋レストハウス」でスノーシューを借りて、ぜひスノートレッキングに挑戦してみてください。大自然の雪景色があなたを待っています。
戦場ヶ原の星空
「戦場ヶ原」は、関東で最も綺麗な星空が見れると有名です。標高約1,400メートルに位置する空気が澄んだ場所で、驚くほどたくさんの星を眺めることができます。
都心からおよそ3時間程度で行けるのは嬉しい限り。ぜひ大切な方とロマチックな星空を眺めに行ってみてください!
戦場ヶ原ハイキングコースの名所5選
戦場ヶ原のハイキングコース上にある名所を5つご紹介します。
その1:間近に眺められる70メートルの滝「湯滝」
「華厳の滝」や「竜頭の滝」とともに奥日光三名爆に数えられる荘厳な滝です。滝幅が広いことが特徴で、「華厳の滝」や「竜頭の滝」とはまた違った見応えがあります。
滝壺近くまで歩いて行くことができ、高さ70メートルを流れ落ちる滝の迫力を間近で体感できるのも魅力のひとつです!
その2:落差わずか5メートルながら風情を感じさせる「小滝」
「小滝」は、その名の通り落差わずか5メートルの小さな滝。この滝へは徒歩でしかアクセスすることができませんが、「戦場ヶ原」と「湯滝」を結ぶハイキングコースの途中にあるため、徒歩でも比較的簡単に辿りつくことができます。
小規模ながら、新緑や紅葉とともにその流れを楽しむことができ、十分に風情を感じさせてくれる滝です。
その3:澄んだ池の周りは休憩地「泉門池」
「泉門池」は、「戦場ヶ原」にふたつある池のひとつです。湧き水によってできた池であるため、水がとても澄んでいます。また、池の周囲にはテーブルや椅子が用意され、休憩したりお弁当を広げるのに最適な場所です。
「戦場ヶ原」のなかでもとくに人が多く集まるスポット! 散策の休憩地として、ぜひ利用してみてください。
その4:透明度の高い川の上に架かる小さな橋「石楠花橋」
「石楠花(しゃくなげ)橋」は、「戦場ヶ原」のハイキングコース途中にかかる橋です。「竜頭の滝」へ向かうためにこの橋を渡る方が多いようですよ!
水の澄んだ綺麗な小川にかかっていて、橋の上からは川の流れと自然とが織りなす景観を楽しむことができます。「石楠花橋」そのものも大変趣のあるつくりになっているので、ハイキング途中に現れるこの橋を要チェック!
その5:全長210メートル! 見所が多い「竜頭ノ滝」
「竜頭ノ滝(りゅうずのたき)」は、「華厳の滝」・「湯滝」と並んで奥日光三名爆に数えられる滝のひとつです。全長210メートルにも及ぶ階段状の岩場を流れ落ちる特殊な形状をした滝で、たくさんの見所をもっています。
滝壺の近くで流れが二股に別れており、その形状が竜の頭に似ていることから「竜頭ノ滝」と名付けられたのだとか。その美しい流れをぜひ一度見に行かれてはいかがでしょう。
戦場ヶ原へのアクセス
東京から戦場ヶ原まで、3時間〜3時間半ほどかかります。
電車でのアクセス
(1)東武鉄道を利用する場合
「浅草駅」から東武鉄道(スペーシア)で「東武日光駅」まで約1時間45分
「東武日光駅」から「三本松」バス停までバスで約50分
「三本松」バス停から徒歩1分
(2)JRを利用する場合
「東京駅」からJR東北新幹線で「宇都宮駅」まで約50分
JR日光線に乗り換え、「日光駅」まで約45分
「日光駅」から「三本松」バス停までバスで約50分
「三本松」バス停から徒歩1分
自動車利用でのルート
首都圏から2時間30分程
東北自動車道「宇都宮I.C」から日光宇都宮道路で「清瀧I.C」
「清瀧I.C」から車で約1時間
戦場ヶ原周辺の駐車場
戦場ヶ原周辺にはいくつか駐車場があります。戦場ヶ原の入り口にある「赤沼駐車場」、展望所の近くにある「三本松園地駐車場」、竜頭ノ滝に近い「竜頭ノ滝駐車場」などが便利です。
「日光市観光協会日光支部」の施設情報
スポット名 | 日光市観光協会日光支部 |
---|---|
住所 | 栃木県日光市御幸町591 |
電話番号 | 0288-54-2495 |
URL | http://www.nikko-kankou.org |
東京から日光へのアクセスは?電車・バス・車での行き方と料金比較

季節を問わずハイキングが楽しめる戦場ヶ原
何度行っても飽きることがない日光周辺の諸観光地。「戦場ヶ原」も訪ねるたびに違った表情を見せてくれます。
東京からのアクセスもよく、気軽に行けるのも魅力。「日光」や「鬼怒川温泉」に宿泊する際にはもちろん、週末のちょっとした時間でも「戦場ヶ原」ハイキングが楽しめます。
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