【気分は石油王】新津温泉の日帰り入浴でアブラマシマシを体験【ひなびた温泉】

新潟市秋葉区、鉄道の町として知られる新津には、知る人ぞ知る名湯があります。その名も「新津温泉」。

ショッピングモールの裏手に建つレトロな建物は、看板がなければ民家のよう。入ってみると、石油のような独特な香りが漂います。

アトピーに良いといわれ湯上がりには肌がプルプルになる「美肌の湯」で、全国各地から温泉ファンが訪れます。

アブラマシマシ!石油の香りを堪能

他のお客様がいないときに、許可を頂いて撮影しました。

新津温泉のお湯は笹濁りの半透明。決して濁っていたり湯の華が浮かんでいたりはしませんが、石油の香りがふわりと漂うのでタダモノではない個性を感じさせます。

この日は比較的ぬるめの体感41℃でしたが、源泉の出方が日によって変わるため、42℃ほどと少し熱い日もあります。熱すぎるときは扉の横に伸びた紐を引いて番台に知らせましょう。

さて、かけ湯をしてザブンとつかると、石油の香りをしっかりと感じます。

ガソリンのケミカルな感じはなく、ある温泉マニアの言葉を借りればハーブのような香りです。不思議と心地よい香りで、つい湯面に鼻を近づけて大きく息を吸い込んでしまいました。

湯口付近の新鮮なお湯で顔を洗うと、プルンとうるおった肌ざわりになります。

ペットボトルを持ち込み、お湯を持ち帰る常連さんも。化粧水がわりに使うのだそうです。

洗い場は3つ。シャワーはなくカランだけです。石鹸・シャンプーの備え付けはない銭湯スタイルで、常連さんはお風呂グッズをカゴに入れて持ち込みます。

湯舟が一つだけのシンプルなつくりで、入れ替わり立ち替わり、地元の方や温泉ファンの方が訪れます。湯口の近くは譲り合って、全身暖まったら長居せずに上がりましょう。

この日はぬるめだったので10分ほどつかっていましたが、塩分が濃いお湯なので数分で汗をかくはずです。

石油掘削中に湧き出した新津温泉は、数か月に一度吹き出す間欠泉!?

新潟県は日本一の石油生産量をほこります。もちろん現在日本の石油はほぼ100%輸入に頼っていますが、新津周辺では昔から石油がとれていました。

新津温泉も石油を掘削しているときに湧き出したのだそう。地下935mほどの深さから自噴するお湯は、塩分をたっぷり含んだ「塩化物-炭酸水素塩泉」。溶存物質(温泉水に溶け出している物質)量が13,000mg/kg を超えるのですからなかなかの濃度です。ちなみに、硫化水素は含まれていません。

さらに驚くのが、数か月に一度激しく噴きだすという「間欠泉」。

周期性をもって湧き出す量が変わる間欠泉は、別府の龍巻地獄をはじめ各地に点在していますが、ここの間欠泉は数か月周期と非常に長めなのが特徴です。

写真を撮り忘れてしまいましたが、脱衣所には過去の激しく湧き出す様子をとらえた写真が飾られています。

直近では2021年11月上旬~中旬ごろに湧き出すのだそう。比較的規則正しく湧き出しているようです。

レトロな雰囲気もたまらない!歴史を感じる新津温泉の建物

脱衣所には水道の流しがあり、石油の香りがしみこんでしまったタオルを洗うのにぴったりです。

脱衣所は60cm四方に仕切られた棚にカゴを入れて使う方式で、リュックサックなども入るゆったりした大きさなのが旅行中の立ち寄り湯にもありがたいです。

脱衣所にはベンチとイスもあります。また、ファンヒーターは冬場にお風呂との温度差を軽減してくれます。お年寄りの常連さんも多いので、細やかな気配りが安全な入浴につながっています。

脱衣所を出て、受付まで戻ります。国鉄時代から残る掲示板が旅情を誘います。

受付からは、赤いカーペットに導かれるように廊下をまっすぐ進んで右に曲がったところに浴場があります。日帰り入浴しかやっていないにも関わらず、受付からお風呂が遠いのは、かつてここが旅館だった名残。

受付から進んで左手側には大広間があり、入浴料金にプラスすれば休憩しながら何度も温泉に入れます。

座布団を自由に出してくつろげます。40畳ほどの大きな広間に舞台もあり、宴が繰り広げられていた往時がしのばれます。

廊下には流しと湯のみがあり、セルフでお茶を淹れることができます。

新津温泉の基本情報:アクセス・営業時間・コロナ対策など

新津温泉は日帰り入浴のみ受け付けています。石鹼やシャンプーなどはなく、必要があれば各自持ち込みます。

入浴料金(1時間)は大人400円・小人200円と格安です。大人料金は+200円で、大広間での休憩とセットで16時まで何度でも入浴できます。

「新津温泉」の詳細情報

施設名 「新津温泉」
住所 新潟市秋葉区新津本町4-17-13
電話番号 0250-22-0842
営業時間 8時00分〜19時00分
※最新の張り紙には18時45分までの記載あり
定休日 8月13日~16日、12月31日~1月2日
利用料金 大人400円・小人200円(1時間以内)
大広間利用:大人600円(16時まで)
アクセス JR信越線・磐越西線・羽越線「新津駅」より徒歩約10分
磐越自動車道「新津IC」より車で約10分
URL https://niigata-kankou.or.jp/spot/11336

新津温泉の新型コロナウイルス感染症対策:県外客OKになりました

2021年11月現在、新津温泉では県外客の利用もOKになりました。

ただし、地元の方が日常的に利用する共同浴場のため、感染状況等によっては県外の方の利用をお断りする場合があるそうです。

また、ワクチン接種を証明するものがあるとスムーズです。

新津温泉では、入館時の手指の消毒やこまめな換気などの新型コロナウイルス感染症対策を行っています。

温泉施設のコロナ対策については、下の記事も参考にされてください。

会話を控えて静かに温泉を楽しむ「黙浴」などを心がけ、安全に温泉を楽しみましょう。

湯上がりにおすすめ!オーサカヤ菓子店でマロンパイを購入

二階建て新幹線「Maxとき」。2021年に惜しまれながら引退しました。

 

新津駅から新津温泉まではアーケード(雁木)の商店街が続きます。その名も「新津鉄道商店街」。鉄道が四方面に発着する一大ターミナルとして栄えた歴史を様々な形で伝えています。

商店街の中にある昔ながらの佇まいがに惹かれ、「オーサカヤ洋菓子店」に入ってみました。

マダムと呼ぶのがぴったりな上品な女将さんが「めったに出ないのよ」と名物「プラリネ」の切れ端を試食させてくれました。

外側を包むパリパリのチョコレートと、洋酒が香るしっとりした生地に、アーモンドの香ばしさが相まって最高です。

無料でいただけるコーヒーとともに、湯上がりのおやつタイムになりました。

買って帰りたい!と思う美味しさでしたが、1本単位での販売のため今回は断念。1人で食べられるスイーツもたくさんあって迷います。

迷った末に選んだのが、ティラミスとマロンパイ。

ティラミス(400円)は軽やかなクリームとほろ苦いココアがぴったりの爽やかな一品です。

マロンパイ(220円)は栗の渋皮煮が丸ごと1個入ってずっしりとしています。サクサクのパイ生地と栗のシンプルな組み合わせでいつ食べても美味しい味わいです。

「オーサカヤ洋菓子店」の詳細情報

施設名 「オーサカヤ洋菓子店」
住所 新潟市秋葉区新津本町2-5-26
電話番号 0250-22-0112
営業時間 10時00分〜19時00分
定休日 なし
URL https://www.niitsu.info/oosakaya/

湯上がりの肌はスベスベとして、行きに着てきた上着を手に持って帰るほど全身があたたまりました。

美味しいおやつも手に入れて、大満足で新津駅に戻りました。

新津温泉の泉質「塩化物-炭酸水素塩泉」についてもっと詳しく

石油の香りが特徴の全国の温泉情報はこちら