【アブラマシマシリンゴトロミ】油臭がハンパない「りんご温泉」は朝がオススメ(山形県朝日町)

「うわっ、これはスゴい……!」お風呂の扉を開けた瞬間に、心地よい石油の香りを強く感じました。

山形県朝日町の「りんご温泉」は、油臭のするツウ好みな温泉です。

入浴料金は大人300円と安い上に、6時から21時まで営業しています。時間帯によって見た目や手触りが変わるので、おすすめは朝一番

お湯が新鮮なだけでなく、大浴場の窓から朝霧に包まれたのどかな町の景色を一望できます。

アブラ臭×リンゴの甘い香り=最高

お風呂の撮影は許可をいただいて行いました

朝6時の開店とともに、地元の人たちが入ってきました。顔なじみの人も少なくないようで、「おはようございます」「久しぶりだね」などと挨拶を交わしています。

僕も早速入ろうと浴場の扉を開けると、ふんわりと心地よいアブラ臭が鼻腔をくすぐり、ワクワクしてきました。

かけ湯をして入ると、キレのありつつもやわらかな手触りのお湯が肌を包みます。黒くて小さな湯の華がたくさんお湯に混じっていて、成分の強さを感じます。

「りんご温泉」の名前の通り、1年中リンゴが浮かんでいるのがここのウリ。湯舟に5~6個ほど浮かぶリンゴが自分のところにプカプカと流れてきたので香りをかいでみると、しっかりと甘い香りがしました。

冬の寒い日に家族で石油ストーブを囲みながら焼きりんごの焼けるのを待っているときのような、どこか懐かしい気持ちになりました。

丘の上に建つ「りんご温泉」は景色も最高!

2分くらいで額から汗が吹き出してきたので、半身浴モードに切り替え、朝霧に抱かれた朝日町の田園風景を眺めることに。田畑の緑と、空と山の青とが鮮やかで、家々の屋根の色が良いアクセントを加えてくれます。

半身浴でもいよいよ暑くなってきたので、冷水のシャワーを浴びることにしました。水風呂がなくても温冷交互浴のかわりになります。

隣でシャワーを浴びていたおじいさんが話しかけてくれました。

2つ隣の町で農業を営む男性

2年前に15mの崖から落ちて、腕が上がらなくなっちゃったの。農作業も運転もできなくて困っていたら、ここがいいって勧められて。

それで毎日通ってたら今では、ほら!(肩をまわす)

温泉の効果効能は様々あり、2週間以上通う「温泉療養」によって得られるものも多いです。こんなに素晴らしい温泉に毎日のように通える環境はうらやましい!

もちろん一度入っただけでも効果が期待できます。それが、身体のあたたまりと、肌の調子改善

りんご温泉の泉質は「ナトリウムー塩化物泉」。塩分が肌を包むことで保温・保湿効果が期待できます。また、油分も同様の効果を期待できます。

塩化物泉についてもっと詳しく

湯上がりの肌のスベスベ感は素晴らしいものでした。脂っこい食事が続いてやや銚子の悪かった肌が、自分のものとは思えぬほどツルツルになっていて、本当に驚きました。

ポカポカ感はお風呂を出てから2時間も続きました。冬はもちろん、夏も冷房や冷たい飲み物で身体を冷やしてしまわないよう注意が必要です。身体の奥底から元気になった感じがして、一日中軽やかな気分で過ごせました。

そして、窓からの景色も最高です。温泉療養には、日常生活と異なる環境に身を置くことで得られる「転地効果」もあると言われています。朝から素晴らしい景色を見られて、すっかり癒やされました。

早起きしたときは「なんで5時台に起きてまで温泉に……」と思ったものですが、ひと汗流しているうちに「まさに早起きは三文の徳だなぁ」としみじみ思いました。

休憩処やお土産コーナーも充実!

木をふんだんに使った「りんご温泉」の建物は、広々としていながらも、ぬくもりを感じます。

ゆっくり休憩できるスペースも充実しており、地元の人達の憩いの場となっていることを感じさせます。

今は新型コロナウイルス感染症対策で長時間の滞在はおすすめできませんが、湯上がりはしっかりと休んで水分補給をするのがポイントです(三密を避けるために、車の中で休憩するなどの工夫ができます)。

お土産コーナーには、地元の名物「朝日町ワイン」や新鮮な野菜が並びます。

ワインと野菜を1つずつ買って帰ることにしました。

夜になるととろみがすごい!不思議なお湯

朝風呂をする前の夜、閉店間際に訪れた「りんご温泉」のお湯は、朝風呂とはまた違った感覚でした。

とろみが非常に強く、全身にまとわりつくよう。湯の華はありませんでした。

僕がはじめに出会ったときのトロットロのお湯もまた素晴らしく、油臭や暖まりの強さなどは朝も夜も変わりませんでした。

キレのある朝のお湯も、とろりと肌を包み込む夜のお湯も、両方をぜひ体験していただきたいです。

「りんご温泉」の詳細情報

施設名 「りんご温泉」
住所 朝日町大字宮宿1353-1 [Map]
電話番号 0237-67-7888
営業時間 6時00分〜21時00分(最終入館20時30分)
露天風呂は夏季金土日祝の9時〜17時(追加料金不要)
定休日 年中無休
利用料金 大人300円、小人200円、未就学児無料
アクセス 寒河江スマートICから車で約20分
山形市内から車で約40分
JR左沢駅からバスで約20分
URL http://ringoonsen.blog.fc2.com

夏は露天風呂も!追加料金不要

りんご温泉 公式ブログより許可を頂いてお借りしました。

4月下旬から10月31日までの金・土・日及び祝日は、9時から17時まで露天風呂も営業しています。

丘の上に建つ「りんご温泉」ですが、露天風呂は本館よりもさらに高いところに建っています。

営業中ならば追加料金を払うことなく利用できます。朝一番の新鮮なお湯も良かったですが、爽やかで心地よい風を浴びながらのんびりと浸かる温泉もきっと気持ちいいでしょう。

朝日町の町中華と古民家を改装したゲストハウス

朝風呂をする前日、僕は友達と朝日町のゲストハウスに泊まることにしました。その時に晩ご飯を食べに行ったのがこちらのお店。

炒飯700円を頼むと、スープと漬物もついてきました。ボリューミーな昔懐かしい炒飯を、一緒に泊まった友達を尻目にワシワシとかきこみました。

「新華樓」の詳細情報

施設名 「新華樓」
住所 山形県西村山郡朝日町大字宮宿1810 [Map]
電話番号 0237-67-7849
営業時間 11時30分~13時30分、17時00分~22時00分
定休日 水曜日

僕たちが泊まったのはこちらのゲストハウス「松本亭 一農舎」。

築100年以上の歴史がある古民家を改装して2019年にオープンした新しい宿で、ドミトリーと個室から選べます。

東北地方に特有の内蔵を改装した「書院」のお部屋に泊まりました。

部屋には面白い仕掛けがあり、友人たちとひと盛り上がり。楽しい時間を過ごせました。

コミュニティスペースもキッチンも充実していて、快適に過ごせました。

「松本亭 一農舎」の詳細情報

施設名 「松本亭 一農舎」
住所 山形県西村山郡朝日町常盤ろ1 [Map]
電話番号 0237-84-0880
利用料金 ドミトリー3,200円、3人部屋8,900円、4人部屋10,800円
URL https://1no.jp/

朝日町で「アブラマシマシ」なりんご温泉を満喫しよう!

りんご温泉は全国的にも珍しい油分を多く含むお湯で、全身がよく暖まって肌がスベスベになるのを期待できます。

入浴料金が安い上に営業時間も長いのでたいへん良心的。山々に抱かれた町の景色を眺めながら、半身浴と全身浴をうまく組み合わせてじっくりと名湯を味わってみてください。

安全で楽しい温泉旅行のために!温泉施設のコロナ対策ガイドライン