宮城県鳴子温泉郷の東鳴子温泉&川渡温泉を中心に、2019年9月23日(月祝)から29日(日)までの1週間、湯治にフォーカスした「湯治ウィーク」が行われます。
東鳴子温泉と川渡温泉では湯治文化が現在でも息づき、小さなお宿で家庭的なおもてなしをうけられることから温泉ファンにも人気。すべて自家源泉かけ流しの個性豊かなお湯も人気の理由となっています。
温泉地でゆったりと過ごす湯治の魅力が、「湯市マルシェ」などの毎日開催されるさまざまなイベントを通して楽しく広まっていくきっかけとなりそうです。
湯治ウィークに合わせて、東鳴子温泉と川渡温泉では通常よりお得に泊まれる宿泊プランも販売されています。連泊によってより良い癒やし効果が得られそうです。
目次
湯治はバカンスだ! 自然の魅力と人の魅力が癒やしを与える

鄙びた雰囲気の東鳴子温泉街
農家や漁師の人が一年の疲れを癒やし英気を養うために温泉に出かけた「湯治」。かつては家財道具を持ち込んで2、3週間滞在するのが一般的でした。
湯治の特徴は、①安く長く滞在すること、②ゆったりと過ごして心身を癒やすこと、③毎年通って地元の人や湯治仲間と交流すること、です。
しかし現代では長い休みをとることが難しく、温泉地でじっくり過ごすことができなくなりつつあります。湯治文化はいまや、消滅の危機に瀕しています。
東鳴子温泉と川渡(かわたび)温泉では、今でも湯治文化が受け継がれ、安く滞在できる温泉旅館が多くあります。
たとえ1泊でも2泊でも、湯治の本質である「ゆったりと過ごして心身を癒やすこと」「毎年通って地元の人や湯治仲間と交流すること」は達成できるのではないでしょうか。
個性豊かなお湯の数々。東鳴子と川渡の底力

川渡温泉・高東旅館の「東五郎の湯」
東鳴子温泉と川渡温泉は、すべての宿が自家源泉かけ流しです。温泉の泉質や色などは様々で、宿ごとに個性があるのも大きな魅力。
川渡温泉は鶯色の鮮やかな緑色をした熱い硫黄泉が多く、東鳴子温泉は茶色から黒系のまろやかな重曹泉(炭酸水素塩泉)が多くあります。

東鳴子温泉「久田旅館」のモール泉
硫黄泉は皮脂を乳化して思春期ニキビや肌のテカリなどを防いでくれることが、重曹泉はクレンジング効果で肌の角質を落としてくれることが期待でき、どちらも「美肌の湯」といえます。アトピーの症状を緩和するにも良いとされており、療養をする人もいます。
食も魅力!海山の幸が集まるグルメも最高

左上から時計回りに、川渡・準喫茶カガモクのドーナツとジンジャーエール、東鳴子・千両のカツ丼(要問合せ)、川渡・キッチンなのはなの鳴子ダムカレー、川渡・蕎麦カフェ田伝のおまかせガレット
東鳴子温泉・川渡温泉の忘れてはならないもうひとつの魅力が、食。
鳴子温泉郷は山の温泉地というイメージが強いかもしれませんが、世界農業遺産にも指定された大崎耕土という肥沃な土壌によって育くまれてきた独自の農業文化や、気仙沼・女川から湯治に訪れる漁師さんとの伝統的な結びつきが強く、海山の食材が集まってきます。
川渡温泉にはおしゃれなカフェやレストランが、東鳴子温泉には昭和の香りが漂う素敵な雰囲気の飲食店があり、美味しいお昼ご飯に出会えること間違いなしです。
川渡温泉と東鳴子温泉とは、列車で1駅、車で5分ほど。湯めぐりのついでにグルメめぐりも楽しいです。
最終日には「湯市マルシェ」も。海山の食材をお土産に
湯治ウィーク最終日の29日には、東鳴子温泉の最寄り駅「鳴子御殿湯」駅前の広場で「湯市マルシェ」も開催されます。海山の食材が並ぶにぎやかなマルシェに行けば、ついついお土産を買いたくなるでしょう。
手作りイベントで温泉街総出のおもてなし!湯治ウィークを楽しもう

湯治ウィークは、健康・自然・趣味・仕事の4つの領域から、現代における湯治の新しい魅力を発信するイベントです。
健康としては、25日(水)10時~11時の「ヨガ体験 in 二宮荘」(川渡・無料)、同19時~20時半の「医療と湯治フォーラム in 鳴子温泉郷」(東鳴子・無料)など。
自然としては、24日(火)・26日(木)10時~11時の「ノルディックウォーク体験会」(川渡・無料)や期間中毎日開催される「海彦山彦市」(東鳴子)など。
趣味としては、28・29日(土日)11時~15時の「ほろ酔いウォーク」(東鳴子・2,000円)や今年度からはじまった「なるこ湯よみ文庫」(各地)など。
そして仕事としては、28日(土)17時~19時の「ワク湧くWorkのつどい」(東鳴子・3,000円)が行われます。

潟沼は火山性のカルデラ湖で透き通った色が自慢
「温泉地で仕事?」と思われるかもしれませんが、湯治場でテレワークに取り組めばストレスフリーでいつもと違う環境に身を置くことで新しいインスピレーションが生まれたり生産性が上がったりするかもしれません。
また、健康・自然・趣味は言うまでもなく湯治の醍醐味が詰まっているといえるでしょう。
どのイベントも、地元の人たちによる手作りのもの。湯治場を通して生まれた交流が実を結んだイベントとなっています。
連泊がお得!限定プランで湯治を体験しよう

東鳴子温泉・旅館大沼の朝ご飯(一例)
湯治ウィークは湯治の魅力を再発見する1週間。もちろん1泊での利用も歓迎ですが、せっかくなので連泊したいところ。2日連続で移動する必要がある1泊2日と比べて、2泊3日は旅行中のあわただしさがぐっと減ります。
湯治ウィークに合わせて、以下の旅館で2泊(一部3泊)がお得になる特別プランを発売しています。素泊まりは1人1泊4,190円~、二食付きは1人1泊7,190円~と、温泉旅館の贅沢なイメージを覆すお手頃なお値段になっています。
詳しくはみやぎ大崎観光公社のホームページをご覧ください。予約は、各旅館への電話か公社HPからの申込となります。
- 東鳴子温泉:旅館大沼・いさぜん旅館・旅館なんぶや・馬場温泉・勘七湯・旅館紅せん・久田旅館・ホテルニューあらお(※3泊単位)
- 川渡温泉:旅館ゆさ・越後屋旅館・東五郎の湯 高東旅館・民宿旅館 二宮荘・湯あみの宿 ぬまくら・玉造荘・山ふろころの宿 みやま
もちろん、特別プランのない旅館も、湯治体験は大歓迎!詳しくはそれぞれの旅館に問い合わせてください。
人目が気になる人も安心!宿泊者は追加料金ナシで入り放題の貸切風呂も
また、東鳴子温泉の6軒の旅館では、人目が気になって温泉に入りづらかった人も貸切風呂を活用して湯治を楽しんでもらえる「ひとにやさしい温泉地プロジェクト」に協力しています。
- 東鳴子温泉:阿部旅館・いさぜん旅館・高友旅館・初音旅館・馬場温泉・旅館大沼
上記の6軒が協力旅館です。性別やジェンダー、身体の見た目、宗教上の理由などの事情によって温泉に行くのがためらわれている方もお気軽にご利用ください。貸切風呂の利用に制限はなく、事情を申告する必要はまったくありません。もちろん、一人でまたは仲のいい人と温泉に入るのが好きな方にもおすすめです。
湯治の楽しさがぎゅっと詰まった1週間。湯治が好きな方も、初めて聞いたという方も、東鳴子温泉・川渡温泉にぜひ足を運んでください!
「湯治ウィーク」の詳細情報
開催地 | 東鳴子温泉・川渡温泉 |
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開催期間 | 2019年9月23日(月祝)~29日(日) |
お問い合わせ | bluefarm-d.com/ |
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