鉱泉と温泉の違いは?分類や成分による泉質の効能についても

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みなさんは、鉱泉と温泉の違いをご存知ですか?温泉好きの中でも、正確な違いを理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。今回は、鉱泉の定義や分類、温泉との違いなどについてご紹介していきます。

1. 鉱泉の定義とは?温泉との違いは?

鉱泉とは?


環境庁が定めた「鉱泉分析法指針」の中で、鉱泉は以下のように定義づけされています。

・地中から湧出する泉水であること
・多量の固形物質またはガス状物質もしくは特殊な物質を含むか、あるいは泉温が源泉周囲の年平均気温より常に著しく高いもの

上記をみると、鉱泉として認められるための条件はふたつあることがわかります。

ひとつ目の条件は、地中から湧き出ていること。水道から出てくるものではなく、地面の中から湧き出てくる泉水だけが鉱泉として認められる資格をもっているんですね。

ふたつ目は、特定の物質がふくまれているか、あるいは泉温が高いという条件です。ひとつ目の条件と合わせて考えてみると、地中から湧き出した水に環境省が定めた19の物質がふくまれていれば鉱泉と呼ぶことができ、仮にそうではなくても、地中から湧き出した泉水の温度が湧き出している地点の平均気温よりも著しく高かい場合に鉱泉と呼ぶことができます。

鉱泉と温泉の違い

「鉱泉分析法指針」の中には、鉱泉の中で特に療養の目的で役立つと考えられるものを「療養泉とする」という記載もあります。療養泉とはつまり温泉のこと。鉱泉の中でも、よりすぐれた効果効能を持つものが温泉と呼ばれるということですね!

鉱泉は上述した「鉱泉分析法指針」によって定義されていますが、温泉は温泉法という法律によって定められています。温泉の定義は鉱泉より少し厳しく、鉱泉の要件として環境省か定めていた19種類の物質が規定値以上ふくまれているか、泉温が25℃以上である必要があります。確かな効果効能が認められた泉水だけが温泉として認められるんです。

かつては、何かしらの成分を含んで地中から湧き出す水は全て鉱泉と呼ばれていました。当時は鉱泉のの中でも、温度が高いものを温泉と呼び、低いものを冷泉と呼んでいたそうです。その名残からから、現在では泉温度の低い温泉が鉱泉であるという認識を持っている方が多く存在します。

2. 鉱泉の分類は?


鉱泉や温泉は泉温や浸透圧、液性によって分類されています。分類の詳細を以下にまとめてみました。

泉温度による分類

・25℃未満 冷鉱泉
・25℃〜33℃ 低温泉
・34℃〜41℃ 温泉
・42℃以上 高温泉

泉温度が25℃以上のものは全て温泉となります。

浸透圧による分類

・低張性 溶存物質が8,000mg/1kg未満 または 凝固点が-0.55℃未満
・等張性 溶存物質が8,000〜9,999mg/1kg または 凝固点が-0.55〜-0.57℃
・高張性 溶存物質が1,0000mg/1kg以上 または 凝固点が-0.58℃以上

浸透圧は泉水1kg中に含まれる溶存物質の量、もしくは溶存物質の凝固点(氷点)によって分類されます。人間の細胞よりも溶存物質が少ない低張性のお湯つかると、細胞が水分だけを吸収するため指先が水分で膨れ上がりシワシワになります。逆に人間の細胞よりも溶存物質が多い高張性のお湯につかると、細胞はお湯に含まれている成分だけを吸収しようとするため、高濃度の温泉成分にやられ湯あたりするリスクが高まります。

液性による分類

・pH2.9以下 酸性
・pH3〜5.9 弱酸性
・pH6〜7.4 中性
・pH7.5〜8.4 弱アルカリ性
・pH8.5以上 アルカリ性

鉱泉や温泉は、浸透圧の違いによって酸性・中性・アルカリ性の性質を帯びます。酸性のお湯は高い殺菌効果を発揮し切りキズなどに良いとされ、アルカリ性のお湯は古い角質を落としてくれるため美肌の湯と呼ばれています。

上記の3つの分類名は、浸透性・液性・温度の順につなげて泉質名などと一緒に記載されます。例えば、源泉温度が48℃、溶存物質の量が7,000mg、液性がph3.5の単純温泉の場合は、「単純温泉(低張性酸性高温泉)」と表記されているんです。

3. 鉱泉の成分とは?泉質は違ってくるの?


鉱泉の定義のひとつに、環境省が定めた19種類の物質の内のどれかひとつが規定値以上含まれていることという条件があることをご紹介しました。その19種類の物質は以下の通りです。

■鉱泉を定義づける19種類の物質
・溶存物質(ガス性のものを除く)
・遊離二酸化炭素(遊離炭酸)
・リチウムイオン
・ストロンチウムイオン
・バリウムイオン
・総鉄イオン
・マンガンイオン
・水素イオン
・臭化物イオン
・よう化物イオン
・ふっ化物イオン
・ひ酸水素イオン(ヒドロひ酸イオン)
・メタ亜ひ酸
・総硫黄
・メタほう酸
・メタけい酸
・炭酸水素ナトリウム(重炭酸そうだ)
・ラドン
・ラジウム塩

上記の物質がどの程度の濃度でふくまれているかによって、鉱泉水の性質が変わります。とはいえ、そもそも鉱泉には正式な効果効能が認められていません。温泉のように、ふくまれている成分の違いによって効果効能が変わるわけでもないため泉質で分類する必要もなく、鉱泉は鉱泉としてひとくくりにされているのが現状です。

4. 鉱泉の分類を覚えて温泉めぐりを楽しもう!

鉱泉は、環境省が規定する19の物質がふくまれているか、あるいは規定の泉温より高い温度で地中から湧き出す泉水のこと。温泉のように効果効能が正式に認められている訳ではありませんが、鉱泉を利用した入浴施設では、入浴による温浴効果などを楽しむことができます。湯巡りの候補にぜひ加えてみてください。

鉱泉の要件になっている物質をさらに詳しく知りたい方はこちら