無人で開放されている温泉がたくさんある、秘湯天国の北海道。
十勝北西部の然別峡(しかりべつきょう)には、野営場の奥に秘湯情緒バツグンの露天風呂「鹿の湯」があります。
渓流にたたずむ露天風呂は適温で心地よい! キャンプのついでに入るのも、日帰り入浴で訪れるのもおすすめです。
※取材は2020年9月に行いました。
目次
笹濁りの極上湯につかりながら、渓流を眺める

岩を組んで作られた立派な湯舟に、源泉がこんこんと注がれています。
青白い笹濁りのお湯はほのかに金気臭があり、ミネラル味も感じられます。キレのあるあっさりとした手ざわりが心地よく、ぬるめでじっくりと入っていられます。9月中旬の朝に訪れたところ、体感温度は39℃くらいでした。
底には少々藻がついているので滑る箇所もありますが、キャンプ場にあることもあって全体的にきれいに整備されています。

脱衣所は小さな小屋が建てられており、カゴがいくつか備えつけられています。
桶は1つロープで結ばれていて、かけ湯をするには十分。無人で建物をもたない「野湯」の情緒がありながらも、快適に利用できます。

湯面の近くは褐色の析出物が出ていて、成分の豊かさを物語っています。味や香りから、カルシウム質ではないかと思われます。
露天風呂をさえぎるものは何もなく、おだやかな川面を眺めながらの入浴は開放感にあふれて最高の気分です。
なお、お風呂は混浴の露天風呂が1つだけなので譲り合って利用しましょう。水着などを着ての入浴も可能です。
激アツ「夫婦の湯」にも挑戦!1つはなんとか入れる

鹿の湯には、山側の小さな湯壺から熱い源泉が注がれています。塩ビ管から出てくるお湯をさわってみると、さわれないことはありません。
ならばより新鮮な湯を求めて上手(かみて)に行きたくなるのが温泉マニアというもの。

山側には2つの小さな湯壺があり、「夫婦の湯」と呼ばれているそう。まずは手前側、塩ビ管の通っている方へ入りました。

体感44℃くらいのピリリとくる熱さをグッとこらえて記念撮影。これくらいなら十分入れる温度ですが、季節や天候によっては厳しいかもしれません。
この日は小雨が降っていたこともあり、鹿の湯がややぬるく感じられました。上がり湯として最後に熱いお湯にサッとつかるのもオツな入り方でしょう。

奥の方に手をつけてみると50℃以上はあろうかという熱さですぐに退散。こちらには入らないよう注意してください!
なお、上流側に行くときに通る岩はたいへん滑りやすいので、安全のためにもお勧めできません。
然別峡野営場は7~9月営業、250円でキャンプできる! 温泉は日帰り入浴も可能

キャンプ場の入口は車止めが目印。キャンプしたい方は、リヤカーに荷物を積みかえられます。受付は奥の「管理棟」で行っていて、大人250円・小人150円です。係の方がいなければ料金箱に入れましょう。
日帰り入浴の方は「お気持ちを入れてください」と書かれた箱に、忘れずに寸志を入れましょう。
温泉は管理して下さる方あってのもの。感謝の気持ちを込めてお支払いしたいですね。
なお、キャンプ場の営業は7~9月ですが、露天風呂の入浴は他の月でも可能です。ただし、冬は除雪が入らないので要注意です。
「然別峡野営場」の詳細情報
施設名 | 「然別峡野営場」 |
---|---|
住所 | 北海道河東郡鹿追町然別峡 [Map] |
電話番号 | 0156-66-4034(鹿追町商工観光課) |
営業期間 | 7月~9月 ※鹿の湯は通年開放、ただし冬季除雪なし |
利用料金 | 大人250円、子供150円 露天風呂のみ利用の場合は寸志を払いましょう |
アクセス | 道東道 十勝清水ICから車で約1時間 ※糠平方面との道は冬季除雪ナシ 車がない場合は新得駅または十勝清水駅からタクシー利用 |
URL | http://www.shikaoi.net/detail/42 |
然別峡野営場から鹿の湯へのアクセス

テントの立ち並ぶところをこえて、川べりへ降りていきます。

「露天風呂」の看板にしたがって歩いて階段を降りていきます。

川べりを渡るところがありますが、増水しているとすべりやすいので注意しましょう。
台風災害の影響で「チニカの湯」「メノコの湯」などは立入禁止

2016年の台風災害によって、チニカの湯やメノコの湯などの野湯群に続く道は通行禁止になっています。
鹿の湯と夫婦の湯を楽しみましょう。
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