温泉を利用する際、泉質と同じくらい重要な意味をもつ「pH値(ペーハー)」。じつは「pH値」の数値によって、温泉の効果・効能が大きく変わるんです。今回は美肌に効果的な「pH値」の指数をはじめ、「pH値」のもつ意味や、情報の読み解き方についてご紹介します。
目次
1.温泉の「pH値(ペーハー)」とは?

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「pH値」の読み方は「ペーハー」もしくは「ピーエイチ」となり、温泉における鉱泉分析法指針では、環境省が定めた5つのカテゴリに分けられます。
環境省の鉱泉分析法指針
pH2~3未満:酸性
pH3~6未満:弱酸性
pH6~7.5:中性
pH7.5~8.5未満:弱アルカリ性
pH8.5以上:アルカリ性
このようにpH値が小さいほど酸性、pH値が大きくなるにつれてアルカリ性、そして中央値の7前後が中性とカテゴライズされます。温泉の泉質とは異なる情報が読み取れるので、温泉に入る際は必見です。
2.温泉の「pH値」は美肌に効果的!
温泉の「ph値」が少ないと酸性になるとご説明しましたが、酸性のお湯はお肌の古い角質を溶かすピーリング効果が見込めます。つまり酸性の温泉に入れば、殺菌効果でお肌がツルツルになるということ。
反対にアルカリ性の温泉は皮脂を溶かし、皮膚の汚れを石鹸のように落としながら中和します。ぬるぬるっとした肌触りが特徴的なお湯で、お肌をやわらかく整えてくれます。
しかしながら酸性の温泉もアルカリ性の温泉も、数値が偏るほどお肌に刺激を与えやすくなります。そのためお肌が弱い人はシャワーか真湯で洗い流してから出るといいでしょう。
一方、中性のお湯はお肌に刺激が少なく優しいので、洗い流す必要はありません。ちなみにですが、一般的な家庭のお風呂はほとんどが中性です。
酸性の温泉
酸性の温泉はお肌のピーリング効果があるとされ、pH値が少なければ少ないほど殺菌効果が見込めます。お肌の一番古い角質を溶かしてくれるので、お風呂上がりはツルツルに!
有名な酸性温泉地:秋田県・玉川温泉、山形県・蔵王温泉、群馬県・草津温泉、長崎県・雲仙温泉
主な効果効能(適応症):水虫、湿疹、慢性皮膚病、リウマチ、高血圧、胃潰瘍など
アルカリ性の温泉
アルカリ性の温泉は粒子が非常に細かく、お肌の皮脂を溶かし、皮膚の汚れを中和する効果があります。ぬるぬるしたお湯が、お肌をすべすべ柔らかくしてくれます。アトピー体質や敏感肌の方が症状を緩和するために入浴されるほか、湯冷めがしにくいことでも有名です。
有名なアルカリ性温泉地:埼玉県・都幾川温泉、神奈川県・飯山温泉、長野県・白馬八方温泉
主な効果効能(適応症):美肌、神経痛、関節痛、痔疾、冷え性、病後回復期など
中性の温泉
中性の温泉はお肌への刺激が少なく、お肌が弱い人や敏感肌の人でも安心して入浴することが可能です。
有名な中性温泉地:新潟県・赤倉温泉、群馬県・四万温泉
主な効果効能(適応症):胃腸病、神経痛、皮膚病、擦り傷、切り傷など
3.酸性とアルカリ性の温泉に入る際の注意点
酸性やアルカリ性の温泉はお肌への効果がるだけ刺激が強いため、温泉成分を身体に付着させたままにすると、肌荒れを起こす可能性があります。
酸性の温泉に入る時の注意点
酸性の温泉に入った後はピーリング効果でお肌が弱くなっているため、身体をゴシゴシとこすったり、長湯するのは控えましょう。お肌の栄養素が必要以上に奪われ、酸性の刺激に負けてしまいます。可能であればボディソープも使用せず、シャワーか真湯で洗い流すように心がけましょう。
アルカリ性の温泉に入る時の注意点
アルカリ性の温泉はお肌の洗浄力が強いため乾燥しやすく、アトピー体質や敏感肌の方の場合、時に肌の状態を悪化させてしまうことがあります。入浴後はしっかり温泉成分をシャワーか真湯で洗い流し、化粧水やクリーム、ボディオイルでしっかり保湿しましょう。
4.温泉の「pH値」を理解して温泉をたのしもう!
温泉に入る際、これから是非気にして欲しい温泉の「pH値(ペーハー)」。「pH値」の役割を知っていれば、その日のお肌の調子や、慢性的なお肌の不調を正すのに、どんな温泉を選べばいいかひと目で分かるようになります。温泉に入る際は「pH値」をチェックして、「pH値」による効果・効能を実感してくださいね!
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