長野の秘湯を語りつくす！年100湯めぐるハタチの温泉同好会長ウェビナー登壇【アーカイブ公開中】

長野大学は、上田市にある公立の大学です。地域密着型の教育が特徴で、企業とコラボした活動も色々やっています。

温泉同好会は、長野県の形をした温泉の湯舟とスマホ、そして Wi-fi をモチーフとしたロゴマークを使っているように、Twitterやホームページなどで、積極的に情報発信も行っています。

活動としては、平日は「ゆるゆる湯活」をしています。長野大学の周りにはめちゃめちゃ温泉があるので、授業が終わった後にみんなで車で温泉に行っています。

土日は「温泉ガチ勢」。距離に関係なく、いい温泉を求めてさまよいます。

休みのときにはもっと遠くに行くこともあります。

こないだ私は、鉄道を乗り継いで宮城県の鳴子温泉郷に行きました。

7日で61時間も鉄道に乗るハードな行程の中日に温泉に入って、最高でした！

ところで杉山さん、温泉を選ぶときってどうしてますか？

そうですよね。

写真と短い文章といった客観的な情報ではなく、自分に正直に「心に従って」温泉を選んでほしい、自分なりの基準をもってほしいんです。

その通りです。選び方は人によって変わってきます。

主観を温泉選びにガンガン取り入れていってほしいと思っていて、例をいくつか紹介しようと思います。

「心に従う」といっても、いくつかの要素があります。順番に説明しましょう。

1つめは温度。気分によって、熱いお湯に入りたいか、ぬるいお湯に入りたいか変わりますよね。
2つめは成分濃度。体液の濃度と比較して、低張性・等張性・高張性があります。
3つめは泉質。人によって、あるいは体調によって、合う・合わないがありますよね。
4つめは雰囲気。地元の人向けの温泉や「ひなびた温泉」から、スーパー銭湯などのにぎやかな温泉まで、さまざまあります。
そして最後は環境です。自然が豊かすぎる──褒め言葉なんですけど（笑）──ところから、比較的自然が豊かなところ、アクセスしやすいところまであります。

こうした要素群の中から、気分に合わせて温泉を選んでほしいと思っています。

杉山さん、最近はテレワークなどで疲れることが増えてませんか？

そうですよね。僕もオンライン授業で疲れたときは「脳みそ空っぽにしたい！」って思いますね。

今回ご紹介したいのは、長野大学がある上田市内の「霊泉寺温泉」の「和泉屋旅館」さんです。

内風呂は41℃と普通の温度ですが、露天風呂は36℃なんです。

そうなんです。36℃ってのがポイントで、体温と同じ温度を「不感温度」といいます。熱くもなくぬるくもないので、ボーッとするのに最高なんです！

さらに、露天風呂の縁に首をもたれさせてア～～ッってやってると、こんな感じで空が見えるんですよ！

あと、超静かっていうのもあって。車もほとんど通らないので、お湯の音や鳥の鳴き声しか聞こえてこないです。目線の先に空が開けているのも素晴らしいですね。

ここのお湯は硫酸塩泉といって、「傷の湯」ともいわれる泉質です。

皮脂を落とす作用があるといわれているので、肌がスベスベになると思います！

霊泉寺温泉がある「丸子温泉郷」には、鹿教湯温泉と大塩温泉もあり、どれもいい感じにひなびた雰囲気なので「ボーッとしたい時に行け！」って感じですね。

もう1ヶ所紹介したいのが「沓掛温泉」で、全国から温泉好きが訪れています。

35℃と39℃の2つの温度が会って、ここも「不感温度」なのがポイントです。やっぱりボーッとするにはぬるいお湯がいいですよね。1時間くらい入っていられます。

そうなんです。先ほどの要素群に戻ると、このような特徴が「ボーッとしたいとき」におすすめです。

そのとおりです。

共同浴場って地元の人が多くてアウェイ感があって行きづらいですよね。

でもこうして、優しいお姉さんが番台に立っていてくれると入りやすいです。

落ち込んでいると、自分が社会から隔絶されたような感じがしますよね。

ここは音がいいんです！ 桶のカコーンって音や、お湯のシャーッっと流れる音、そして地元の人達の話す声。そういう音を聞いていると落ち着くんですよ。

弱いかもしれないけど、自分はたしかに社会とつながっている。そんな感じがします。

僕たちが今いる高山村の「セルバン白雲館」さんをご紹介します。

これは喫茶スペースです。静かで雰囲気もいいので、読書や勉強に集中したい時にめっちゃいいですね。

これ私なんですよ(笑)。考え事とかをしているのでもなく、ただただボーッとしていました。

ここのお湯は硫黄の香りがして、温度もちょうどよく、ボーッとつかっていられます。

「思い出を作りたいとき」ですね。

僕が20歳の誕生日の時に両親を連れて行って、すごく良い思い出になりました。

セルバン白雲館のオーナーの舘田です。3年ほど前に前のオーナーから引き継ぎました。

2019年の台風19号であったり、続く雪不足、そして今のコロナ禍と、厳しい状況ではあるのですが、皆さんに支えていただきながらなんとか頑張っています。

大きな打撃を受けるたびに「次こそ頑張ろう」と思ってやっています。ほかの旅館の方もそうだと思いますが、今を乗り切るためになんとか頑張ろうと思っています。

宿の中ではコロナ対策として、消毒を行ったり、部屋を1室ずつ空けたりしています。

当館のコンセプトは「思い出になる宿」です。ボードゲームやミニ四駆など、親子で楽しめるようにしています。

いつから杉山さんの息子になったんですか(笑)

当館は山の上の小さな宿です。コロナが落ち着いたらぜひお越しください。お待ちしております。

そうですね。僕もいつか結婚して子どもが生まれたら家族を連れてきたいという夢があります。

ここは、失恋した時に行った温泉なんですよ(笑)。

彼女に振られた次の日に行きました。

すべてがどうでもよくなっちゃって、色々投げ出して向かったのがこちらです。

新潟県の長野県に近い「燕温泉」の野湯です。周りに建物がなく、自然の中にある温泉です。

その日は土砂降りで、わざわざ車を降りて20分歩くようなヤツって僕しかいないはずなんですよ。

って思ってボーッとしてたら山の上からおじいちゃんが降りてきて。仲良くなって色々話してるうちに「昨日振られちゃって……」って話したんですよ。見ず知らずのおじいちゃんに慰めてもらって。

すっかり元気になって、おじいちゃんに撮ってもらいました(笑)。

長野大学温泉同好会では、ホームページとTwitter(@onsennagano)で情報発信をしています。

気になった方はぜひご覧ください！

部長が言いそうなセリフ言っちゃった(笑)。

内心引いてるんじゃないかな(笑)。

今回ご紹介した「心に従う」温泉の選び方を覚えていただいて、ぜひネットで検索しても出てこないような温泉にも行ってほしいとおもいます。

きっとお気に入りの温泉が見つかると思います。

ぜひ紹介させ……そこは仲良くしてくださいよ！(笑)