温泉のプールサイドで昼間から飲むビールは最高に美味かった。ブルガリア・サパレヴァ=バニャ

ヨーグルトで有名なブルガリアには、実は東欧屈指の温泉大国で各地に温泉リゾート地があります。

今回ご紹介するのは、ブルガリア西部の温泉町「サパレヴァ・バニャ(Сапарева баня)」。高温の温泉が噴き出す間欠泉とが町のシンボルとなっています。

近くのプールには温泉水を引いているのだとか。

平日の昼間からプールサイドでビールが飲めるのは究極の贅沢! やっぱり、温泉×ビールは最高です。

ブルガリアで体験した温泉プールをご紹介します。

大迫力の間欠泉は硫黄の香り!

首都・ソフィアからバスを乗り継いで約3時間、小さな温泉町「サパレヴァ・バニャ」に着きました。

バス停から歩いて1分くらいのところに、町のシンボル・間欠泉があります。ここの源泉温度は104℃といわれています。高温の温泉が珍しいヨーロッパで、100℃をこえる超高温の源泉はたいへん珍しいです。

ゴゴゴーッと勢いよく温泉が湧き出す様子に感激。青空に温泉のしぶきが映えます。

間欠泉に近づくと、硫黄の香りがほんのり漂ってきました。

間欠泉のまわりは公園として整備されています。

英語を話すスタッフが常駐する観光案内所もあります。僕はここで、温泉に入れる場所を教えてもらいました。

安くて美味しいランチに舌鼓

12時をまわってお腹がすいてきたので、バス停の目の前にあった雰囲気のよさそうなレストランに入りました。

このあたりは温泉リゾートなので、英語・ロシア語のメニューがあるお店も多く安心して注文できます。

適当に頼んで出てきた料理がこちら。ブルガリアの伝統的な器に盛られています。トルコ料理の影響も感じる味付けでした。

これにパンもつけて500円ほど。ウェイターさんは英語が堪能で快適に食事ができました。

いざ温泉プールへ!

バス停から間欠泉と逆の方向に3分ほど歩いたところに、小さく “HOT MINERAL POOLS” の看板があります。ここからプールに入れます。ブルガリア語で「温泉」は「ミネラル・バニャ」。ミネラルプールはどうやら、「温泉プール」の直訳のようです。

受付で料金を払い、リストバンドを受け取ります。受付の近くにも更衣室はありますが、メインで使われているのは一番奥の建物のよう。奥の建物にはサウナやレストランも併設されています。

入退館に必要なリストバンドとロッカーのカギは別々。なくさないよう、リストバンドはロッカーにしまいました。更衣室は男女別で、奥にシャワーがついています。靴も含めてすべての荷物をロッカーにしまい、水着に着替えてシャワーを浴びて準備完了!

いざ、温泉プールへ向かいます。

なだらかな丘陵に囲まれたサパレヴァ・バニャの町を一望する開けたところに建つ温泉プール。赤瓦のような伝統的な屋根の家々が並び、青々とした木々と素晴らしいコントラストをなしています。

ブルガリア語と英語で注意が書いてありました。下半分には温度が書いてあります。16~18℃、28~30℃、31~33℃、36~38℃、39~41℃の5つの温度があるようです。

大きなプール1つと、それを取り囲むように屋内プールやジャグジー、水風呂、サウナ、お風呂などが配置された低いゾーンと、熱いお風呂や子ども用プールなどが配置された高いゾーンの2つを合わせると100m四方くらいの広さがあります。僕が訪れた3月は一部のプールが閉まっていましたが、何時間かいてもまったく飽きなそうなくらい充実していました。

プールは全体的に深く、大きいプールは1.4m、最も深いプールでは1.6mです。背の低い僕は大きいプールでもちょっと圧迫感を感じましたが、大柄なブルガリア人にとってはちょうどいいのかもしれません。

屋内プールの壁では、落ちたらプールにダイブするワイルドなボルダリングができます。ここが最も深い水深1.6mなので、壁のてっぺんから落ちても安全です。

めっちゃ熱い岩風呂で地元の人に励まされた

正直なところ、間欠泉で感じた硫黄の香りは大きなプールからはしませんでした。しかし、歩いているとどこからともなく硫黄の香りがしてきたので、においに連られて歩いていると、温泉らしいお風呂を発見!

日本の岩風呂みたいなつくりでワクワクします!

ここも水深1.3mくらいあって、立つか、湯舟の内壁に並ぶ岩に腰かけて入るようになっています。

いざ入ろうとすると、あまりの熱さに衝撃を受けました。体感43℃くらいあって、日本の温泉の中でも熱い方だと思います。

入るのをためらっていると、先に入っていた地元の人に「熱いと思うから熱いんだよ」といわれてしまいました。それはそうかもしれないけどやっぱり熱いよ……

頑張って少しずつ身体を慣らしようやく入れましたが、全身をチクチクと刺すような熱さの刺激を感じます。体じゅうの毛穴が開くような感覚。ヨーロッパでこの感覚が蘇るとは思ってもいませんでした。

1分も入っていられずに即座に撤退。その後何度か入ったり出たりを繰り返しましたが、疲れてしまいました。43℃のプールがあるってどこにも書いてなかったような……?

 

屋内プールにドリンクと軽食を売るお店があったので、身体をクールダウンさせるためにビールを買いました。お値段は2.1レフ(≒130円)か2.9レフ(≒180円)。安い方を選びます。

プシュ、プハ~~~

プールサイドにはデッキチェアがたくさんあるので、日向ぼっこがし放題。ビール片手に、春のうららかな日射しを満喫します。

いや~昼間から飲む酒は美味い

温泉プールに来ている多くの人が、ビールを飲んだり紅茶を飲んだりしながら一日中まったりと過ごしています。僕は次の行程があるので早めに帰ることにしましたが、一日中過ごしても飽きないと思います。

“Mineral Pool Sapareva Banya”の詳細情報

施設名 「Mineral Pool Sapareva Banya(Аква клуб Котвата内)」
営業時間 9時00分〜17時00分
利用料金 屋外プール:12レフ(約1,000円)
※別途デポジットが必要です(退館時返却)
※支払いは現金のみ
★屋内のスパ施設なども利用できるプランもあります
アクセス ドゥプニツァから路線バスで約30分「サパレヴァ・バニャ」下車、戻る方向へ徒歩約3分

サパレヴァ・バニャへのアクセスはバスがおすすめ

ブルガリアの公共交通は全体的にゆっくりしています。列車もバスもあまり飛ばしませんでした。

首都ソフィアから、サパレヴァ・バニャの近くの都市「ドゥプニツァ」までは約70km。バスでも鉄道でもおよそ1時間半かかります。

ソフィア中央駅前のバスターミナル(Централна Автогара София)か、南バスターミナル(Автогара Запад)から出ています。僕は南から乗りました。

ソフィアの中心街は2つのバスターミナルの間にあり、ローマ時代の遺跡がたくさんあって豊かな歴史を感じさせます。

かつて浴場だった建物は歴史博物館になっていて、まわりに飲泉場がいくつか設けられています。

一本道を挟んだところには無料の温泉スタンドがあり、朝から晩まで多くの市民がボトルを手に訪れます。40℃ほどのお湯が50ほどある湯口から出ていて、ついつい「お風呂があったらなぁ」と考えてしまいました。

ソフィアの中心街から、トラムに5分ほど乗ると中央駅、25分ほど乗ると南バスターミナルに行けます。市内交通は均一1.6レフ(≒100円)。

バスターミナルにはバス会社が窓口を出しているので、そこで切符を買います。オンライン予約していても必ず発券する必要があります。ドゥプニツァ(Дупница)まで5レフ(≒320円)。

ドゥプニツァの駅もバスターミナルが併設されています。ドゥプニツァからサパレヴァ・バニャまでは運賃後払いの路線バスが出ています。壁に時刻表が張り出されていますし、インフォメーションで聞いても教えてくれます。

路線バスは2社が運行していて、1.2レフか1.4レフ。いずれにしてもお安いです。

サパレヴァ・バニャのバス停は青い屋根が目印。帰りのバスの時間は観光案内所で聞くのが確実です。

ソフィアからドゥプニツァまでは鉄道も走っています。オンラインの予約もできますし、駅の窓口で買うこともできます。

車窓は、鉄道でもバスでもたいへんのどかです。

ブルガリアの温泉リゾート「サパレヴァ・バニャ」で温泉プールに入ろう!

間欠泉の町・サパレヴァ・バニャには、気持ちいい温泉プールがありました。

日本人にもちょっと熱い岩風呂やサウナ、水風呂などもあって一日中楽しめます。

出典:Google Maps

頑張ればソフィアから日帰りも可能です。ブルガリアへご旅行のさいは、ぜひ足を運んでみてください!