三島の秘湯「竹倉温泉 みなくち荘」で日帰り入浴!黄金色の温泉でポカポカに【静岡・伊豆エリア】

三島市の「竹倉温泉 みなくち荘」は、鉄分たっぷりのにごり湯。

温泉の宝庫・伊豆半島でも珍しい泉質で、休みの日には関東からも多くのファンが訪れます。

ご夫婦で切り盛りしている1963(昭和28)年開湯の歴史ある温泉は「ひなびた温泉」の情緒もただよい、落ち着く雰囲気です。

現在は日帰り入浴専用の、「竹倉温泉 みなくち荘」に行ってきました。

黄金色のお湯が気持ちいい!

大きな窓から朝の光が差し込む大浴場では、黄金色のお湯が輝いていました。

味噌汁のような色は、お湯に含まれる鉄分によります。他の鉄分を含む温泉とも少し異なる特徴的な色だと感じました。

ギュッギュッとした手触りですが、塩分を含まないため決してベタつきません。鉄分を含むお湯は珍しい上に、塩分とセットなことが多いため、珍しい泉質だといえます。

ここは冷鉱泉ですが、鉄イオンとメタケイ酸が基準を満たすため温泉と認められています。冷鉱泉では成分の基準をクリアしないと「温泉」に認められないため、しっかりと成分を含んでいるお墨付きだと思います。

丸いタイルが敷き詰められた内装もお見事。黒を基調とした壁に、黄金色の筋が夜空に輝く天の川のようなアクセントを加えています。

黄金色の筋のひとつは、湯舟に注ぐように引かれています。まるで滝壺に入っているかのような、自然と一体となったゆったりした気持ちにさせてくれます。

湯口のまわりの石や壁は、温泉成分で真っ茶色になっています。

成分の強さを目で見て感じながらじっくりつかっていると、5分ほどで額に汗が浮かんできました。窓を開けて冷たい風を浴びて、半身浴モードに切り替えましたが、それでも汗が出てきます。

お湯から上がると、半身浴でどこまでつかっていたかわかるほど、お湯にふれた部分がポカポカしています。

常連さんとお話しして、あらためてこのお湯の力を感じました。

常連さん
昔箱根で真冬に外仕事をしていて、身体を冷やしちゃったんだよね。

ここに来るようになったらすっかり身体が暖まって冷え性が治って。

車で10分くらいのところだから毎週のように来てるよ。

橋本
箱根の温泉ではなく、ここで治したのですね。
常連さん
そうそう。もっと早く知っていればよかったよ。

すごくいいお湯だし、建物も今ではできない贅沢な技術が使われているよね。タイルが湯舟のカーブに合わせて切ってあったり、細かいところに職人芸が感じられるよ。

橋本
本当ですね! こういうタイル張りのお風呂も今では珍しいですよね。
常連さん
いつまでも残ってほしいね~。

美味しい湧き水でクールダウン

常連さんと話しながらじっくり温泉を堪能し、脱衣所に戻る頃には喉がカラカラに。

洗面台に「飲用の湧き水です」と書いてあります。

早速コップに汲んで飲んでみると、すっきりした味わいで鉄分たっぷりの温泉の近くで湧いているとは信じられないほど。

甘すぎず硬すぎず、湯上がりの水分補給にぴったりの味でした。

「男ゆ」と「女ゆ」の前には健康マシンが置いてあります。

創業半世紀以上のお湯を守るご夫婦

「竹倉温泉 みなくち荘」は、2006年まで旅館として営業していました。今は日帰り専用ですが、大広間で休憩できます。

本棚にはたくさんの本が並び、湯治客でにぎわった往時の様子を想像しました。

実は本棚の表に飾ってあるのは、取材を受けた新聞や雑誌の数々。名湯としての評判は確固たるものです。

籐の長椅子に座って、ご主人としばし歓談。あとを継ぐ人がおらず、体力の続く限り続けていきたいとのこと。

竹倉温泉で唯一残る温泉施設を守る意思を感じました。

県道から1本入ったところにあり、畑に囲まれてのどかな雰囲気の「竹倉温泉 みなくち荘」。

地元の常連さんだけでなく、首都圏のファンも多い、知る人ぞ知る名湯です。

三島の秘湯にぜひ足を運んでみませんか。

県道142号線から曲がる際は、看板が目印になります。

「竹倉温泉 みなくち荘」の詳細情報

施設名 「竹倉温泉 みなくち荘」[Map]
住所 静岡県三島市竹倉21
電話番号 055-975-3791
営業時間 9時00分〜20時30分
定休日 第4火曜日
利用料金 入浴500円、広間休憩1,200円(16時30分まで)
アクセス 東名道「沼津IC」から車で約30分
伊豆縦貫道「三島玉沢IC」から車で約8分
三島駅から東海バス玉沢行で約15分「竹倉温泉」下車

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