未来の宿泊に今払う。コロナ禍に苦しむ温泉旅館を応援する「種プロジェクト」

全世界で数百万人(日本国内では2020年5月6日現在約1万5000人)もの感染者が生じ、経済活動や人の移動にも大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。

温泉好きのあなたにとって、温泉に行けないつらさはもちろん、大好きな温泉が苦しい状況にあることが耐えられないのではないでしょうか。

家にいてもできる応援が、「未来の宿泊に今払う」こと。終息後の楽しみができて、温泉旅館にとっても安心できる。「種プロジェクト」を通して、支援の心が次々に芽生えています。

1口5,000円からオンラインでサポーターになれる

種プロジェクトでは、「未来の宿泊の前払い」とともに「応援メッセージの投稿」ができます。

1口5,000円から「サポート」ができ、支払った分は全額将来の宿泊に使えます。毎年のように泊まっている宿や、いつか行ってみたいと思っていた宿に泊まる予定を考えながら応援ができます。

サポーターになるのはたったの2ステップ。誰にでもできそうです。

  1.  各旅館のページで、サポート額や応援メッセージなどを登録する
  2.  事務局から届くメールに従って、旅館に直接支払いをする

支払い方法は旅館によって異なりますが、口座振込などによって直接支払うのは共通しています。そのため、サポートした全額がすぐに旅館に届きます。

旅館で入金が確認できたら、「サポーター証書」が郵送されてきます。あとは、コロナの終息を待って泊まりに行くのみ。サポーター証書は宿泊券として宿泊料金の支払いに使えます。ネットバンキングなどを使えば家にいながらサポーターになれます。

種プロジェクトはボランティアによって運営されており、掲載料や手数料などはかかりません。旅館の方にとっても、宿泊客の方にとっても、想いを直接伝えるのにぴったりです。

全国60以上の宿泊施設が参加、広まる応援の輪

種プロジェクト公式サイトより温泉部が編集。掲載施設は2020年5月6日現在のものです。

2020年5月6日現在、種プロジェクトには北海道から沖縄まで全国60もの宿泊施設が登録されています。

あえて宿の特徴や価格帯などで絞り込まず地域ごとに掲載しているので、気になっていた宿に今度行く決心をしたり、近くで新しい宿と出会ったりするきっかけになったりするかもしれません。

種プロジェクトの発起人で、温泉旅館のレビューサイト「タビエル」を主宰する丹羽尚彦氏は、「条件で選ぶのではなく、生活の一部として疲れた心を癒すもうひとつの我が家としての姿を僕らは見るかもしれない」と語っています(公式サイトより引用)。

「自粛疲れ」「コロナ鬱」などがいわれるようにストレスを抱える人が増えている今だからこそ、温泉旅館に将来泊まる約束が大きな意味を果たすのではないでしょうか。

「焼け石に水」から、木を育てる。ポスト・コロナに向けて

出典:ぱくたそ

2020年5月6日現在、種プロジェクトに1,437人のサポーターが参加し、4000万円以上の支援が集まっています。

一人ひとりの応援だけでは成し得なかった大きな応援の輪は、今も広がり続けています。

一方で、これだけでは旅館の損失を埋め合わせられないのも事実。キャンセルや営業自粛による休業補償はほとんどなく、雇用調整助成金も中小・零細企業にとって申請はまだまだ煩雑で、申請できても支払いまで時間がかかっています。

人と人とが直接会うことと、その場所に行かないとできない体験をすることが制限されている現状は、持ち運びのできない温泉とおもてなしを提供する旅館にとって大きな逆境です。しかし、オンラインでのコミュニケーションがいっそう普及したポスト・コロナの社会にあっても温泉旅館の価値は変わらず大切であり続けるでしょう。

刈り入れを終えた農民が一年の疲れを癒やし翌年の元気を得るために湯治に出かけたように、ストレスを抱えた現代人が心身を癒やせる「もうひとつの日常」として温泉旅館が位置づけられるかもしれません。

日本の文化である温泉旅館が守られて、この試練を乗り越えた先で大きな木として再び人々に安らぎをもたらせるよう、種プロジェクトはこれからも続いていきます。

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